すまいよみ 良いマンション選びを支えるブログ

東京イースト在住。2007年に最初のマンションを購入してから失敗を重ね、結局3回もマンションを買い替えました。 すまいよみは『後悔しないマンション選び』を支援するブログです。

大規模マンションに今流行の充実した共用施設は本当に必要か

f:id:murakoshi5:20181114224640j:plain近年、充実した共用施設、サービスを売りにしているマンションが増え、人気を博しています。戸建てではなくマンションを検討する人にとって、いっけん見栄え良く楽しそうで心惹かれますが、果たして本当に必要なのでしょうか。

 

充実した共用施設は私たちの生活に必要か

結論から言うと、充実した共用施設、サービスは、大規模ならでは一住戸当たり低コスト負担で豊かな生活を提供してくれる事から、必要であると考えます。それが、1戸建てでなくマンション、特に大規模マンションを選ぶ中枢の価値でもあるからです。

 

ただし、煌びやかな共用施設ありきでマンションに惹かれ購入を決めてしまう前に、冷静に考えるべきことがあります。それは、住人にコスト負担が課されることなので、入居後に生活を始めてから自分のライフスタイルに本当に必要であるのか、マンションに隣接して同じサービスを受けられる民間や公共の施設が存在しないかよく吟味すること。同時に、大規模マンションであっても、楽しそうな共用施設の前に、毎日生活を送る住戸の快適な住環境を見落とさないように地に足をつけた住まい選びをすることの基本を忘れてはいけないことです。そもそも、もし共用施設が必要でなければ、大規模マンションでなくとも住環境が良いマンションを選ぶ選択肢が増えるかもしれません。

 

以下、僕が最近モデルルーム訪問をした、エリア的にも近い2つの大規模マンションを見ながら論点を整理します。いずれも東京都江東区に分譲中(2018年11月現在)の大規模マンションです。
シティテラス東陽町(522戸)
プラウドシティ越中島(305戸)

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主な共用施設、サービスの一覧です。f:id:murakoshi5:20181114225114p:plain

シティテラスは今流行の共用施設はほとんどないです。プラウドシティは、今流行の充実した数々の共用施設を持っています。明らかに楽しそうなマンションライフを送れるだろうと想像が膨らみますね。

 

日々のランニングコスト

まずコスト面から。共用施設は、マンション住人の管理費負担で運営されており、月々の管理費に含まれて徴収されます。修繕積立金の考え方もしかりです。修繕積立金は、年数が立ち、施設、設備が老朽化していく実態を踏まえ、数年ごとに引き上げていく運営スタイルをとっているマンションがほとんどです。f:id:murakoshi5:20181114225310p:plain

管理費

70㎡換算で比較すると以下となります。
プラウドシティ越中島が16,450円(インターネット代など1,820円含む)
シティテラス東陽町が13,268円(インターネット代864円含む)

 

マンションの管理費は年々高騰しており、2017年度首都圏平均は16,848円となっています(東京カンテイ調べ)。都心や駅チカ、そしてこれだけの充実した共用施設があることを加味すると、プラウドシティは十分にリーズナブルなのですが、同じく都心に近く駅チカ物件であるシティテラスは、共用施設を極力削った上で大規模のメリットを大きく活かした月々の低ランニングコストが目を見張ります。東陽町界隈の新築中小型マンションでは、同じく70㎡換算で、月々2万円近い管理費を徴収するマンションもありました。

 

管理費負担の中身一例を見ると、プラウドシティの「ライブラリー」は、紀伊国屋が監修し、本の入れ替えを順次行っていくそうなのですが、年間で住人の管理費より約20万円を紀伊国屋に委託料として支払う形になるようです。300世帯として、1世帯年間負担額は666円ほどです。

 

修繕積立金

シティテラスが4,280円、プラウドシティが8,500円です(修繕積立金が上がる築5年まで。それ以降は上記表参照)。プラウドシティの内訳として、「団地共用費」2,000円という項目があり、この中に共用施設の数々が含まれています。それら共用施設に充てられる費用は全てではないにしても半額の1,000円と仮定しておきます。通常、個別住戸に充てられる空間を、代わりに全員が利用する数多くの共用施設に割り当てているいるわけで、その建物部分など修繕費を住人全員で積み立てていくので通常の修繕積立金よりも割高になるのが実態です。

 

以上を踏まえると、プラウドシティがシティテラスよりも充実した共用施設を提供するため、管理費で3,000円、修繕積立金で1,000円、合計月々4,000円ほどのランニングコスト増につながっていると仮定することができます。修繕積立金は5年ごとに段階的に引き上げられていくので、年を経るごとに更に負担額は増します。

 

月々たがが4,000円で、これだけ棟内で充実したサービスを受けられるということは、金額に対する考え方は個人で違うものの、大規模マンションと大手デベロッパー企画力ならではの魅力であり、マンション高騰時代において、豊かなマンションライフが送れる付加価値の1つとして、人気を博している理由だと思います。

 

ただし中身は分からない所もありますが、ゲストルーム、カフェスペースのドリンクなどは、加えて使用料が発生する部分もあると思います。月々の維持管理費負担に加え、更に使用料が発生するとなると、少し考える必要があると思います。実際に住む人の使用頻度であったり、マンション周辺にサービスをフォローできる民間や公共施設の有無などです。

 

サービスの必要性、使用頻度

TSUTAYAとコラボの共用施設!?」などといったうたい文句から、いっけん華やかで素敵なマンション!と思えてしまうのですが、いったん冷静に考えてみたいと思います。

 

例えば、ゲストルームって、初めてマンションを購入する人にとっては魅力的に映るのでしょうが、本当に使用するでしょうか。僕も、最初にマンションを購入した時は両親が遊びに来た際、何度か泊まっていった記憶がありますが、両親も年を重ね、この数年は1度も泊まりに来たことがありません。友人もです。家族や友人たちと密に特別な付き合い方をしている人にとっては重宝するのかもしれませんが。

 

屋上テラス。僕は正直、夏も冬も春も秋もほとんど使用しませんでした。屋上にあるので、結局夏はカンカン照り、春や秋でも高い場所なので風が強かったり、冬なんかとてもじゃないけど・・・。で、登っても結局やることないわけです、屋上なんて。こちらも当然、補修費や管理負担があります。

 

一方、僕のように、仕事の傍ら勉強したりブログしたり、また自宅で仕事をする人であれば、ライブラリー、スタディルームなどはとても重宝すると思います。子供がいる家庭だと、騒がしくて自分の作業をゆっくりできないですから。棟内に居場所があるということは、梅雨の時期、自宅にいられない時なども、とても助かると思います。

 

土日休みの人だと、共用施設、サービスがいっぱいで使用できないことがあるかもしれません。現マンションのシェアサイクルは土日朝借りに行くと埋まっている事が多いのですが、僕はサービス業で平日休みが多いので、使用したい時は大体借りられます。先日訪問した大規模物件モデルルームの営業の人が、「土日だと混んで使えない共用施設があるかもしれませんが、平日休みでいらしたら優先的にいつでも使えますよ!」と言っていました。

 

どこまで想像できるかですけど、人それぞれ、入居してからマンションを巡る生活のシーンをよく考えたいですね。マンションを検討している時、大手ブランドのマーケティングに憧れの思いで乗ってしまう前に、自分自身のライフスタイルと、共用施設サービスの関連性を少し冷静に考えてみましょう。

 

物件に隣接した生活利便施設

以下、シティテラス、プラウドシティの物件の隣接地に、どんなサービス施設があるかまとめてみました。「隣接」は、気軽に出向ける距離。徒歩3分までとしました。f:id:murakoshi5:20181114225848p:plainシティテラス東陽町は、徒歩2~3分圏内に、ホテル、スポーツジム、図書館、保育園、幼稚園、カフェといった民間、公共の生活利便施設が隣接している恵まれた立地に位置するので、マンション自体に過剰な共用部を設けずに日々のランニングコストを削減するというコンセプトがありました。隣接している利便施設を見据え、居住者にとって生活利便性の担保を取った上で低ランニングコストへの転嫁にかじを切った大規模マンションなのです。

f:id:murakoshi5:20181114230009j:plain物件にほぼ隣接して、図書館など様々な施設が立ち並ぶ

f:id:murakoshi5:20181114230057j:plain徒歩5分の駅前も賑やかな「東陽町

一方、プラウドシティ越中島は、逆に、ゲストルーム、ライブラリー、ワーキングスペース、コーヒーラウンジと、これでもかといった共用施設を売りにしています。近隣は駅前含め商業施設が少なく不便なロケーションなので、通常のランニングコストに加え4,000円ばかりの負担で居住者の利便性、生活の楽しさをマンション棟内でカバーしています。そして、マンションを出て徒歩10分~20分歩けば、門前仲町、月島、豊洲など今旬なエリアで楽しい休日を過ごすことを魅力としたコンセプトを追求しているマンションなのです。f:id:murakoshi5:20181114230211j:plainマンション周辺は主だった施設がなく不便な環境

f:id:murakoshi5:20181114230242j:plain同じく商業施設などがない徒歩4分の駅前

f:id:murakoshi5:20181114230420j:plain少し足を伸ばせば、門前仲町など人気のスポットが多く楽しいエリア

 

近隣が不便な立地でサービス施設が少なければ、大規模物件のメリットを活かして月々少額の負担で充実した共用施設はぜひ欲しいところです。ただし、マンションに隣接して大型ショッピングセンターがあったり、便利な商業施設が複数林立しているロケーションのマンションでは、果たして月々維持や管理だけで数千円支払って、そこまで充実した共用施設が必要なのでしょうか。シティテラスのように割り切ったコンセプトを持っても良いと思います。

 

マンションの将来性

若い共働きの世代が華やかなマンションを購入して、充実したマンションライフを送る。今はそれでとても楽しそうに思えます。では、10年後、20年後のマンションはどうなるでしょう。

資産性、リセールバリュー

資産性、リセールバリュー、売却のしやすさを見た時に、健全に管理していくことが前提ですが、充実した共用施設はプラスに働く要素が大きいと思います。自分たちが購入を検討する際に良いイメージを持つのと同様、現在たくさんの共用施設を要したマンションの売れ行きが良いことからも、将来的にマンションが高い評価をされる傾向を作れると思うからです。街のランドマーク的な存在感を発揮し、売却のしやすさ、リセールバリューの維持でも貢献してくれることが期待できます。 

遊休資産・管理の足かせ

一方のリスクです。住人が年を重ねてきた際に、過剰な施設は、サービスの管理維持費、修繕費などマンション運営の足かせになる心配があります。極端な話、キッズルームですら、マンションが建って5年、10年も経てば、子供が大きくなって、遊ばせている両親の姿も見かけなくなります。そうした時に、だぶついた維持費だけがかかる資産にならないか心配です。いまは、カフェやワーキングスペースなどが人々の生活スタイルの中で人気があっても、使用しなくなった施設を、柔軟に有用な施設に転嫁できるよう、管理体系をしっかり構築していくことが肝要かと思います。

 

見失いたくない住まいにとって大事なもの

僕が一番、言いたかったことになります。

華やかなマンションの企画に隠れて、そもそもの「住まいの価値」「暮らしやすさ」を見誤り、後になって後悔しないよう、住まい選びの基本をしっかり押さえることに徹しましょう。

 

僕の失敗談です。今、旬の「世田谷区二子玉川」。そのニコタマ(フタコ)の徒歩圏内にマンションを購入して、犬を飼いながら多摩川を散策したり、テラスで食事したり、楽しい世田谷ライフを送っていました。一見、良いマンションを選んだと思っていたのですが、安い価格で妥協して住環境の悪い部屋を購入してしまったのでした。毎日生活を送るリビングダイニングを含むすべての居室がとても暗く、日々の生活が暗くつまらないものとなり、結局買い替えることになりました。

 

華やかな大規模マンションのイメージに隠れて、明るさ、眺望、静けさ、周辺環境の住みやすさなど、そういった住宅、住み心地という基本を忘れてはいけません。一番滞在する空間は自分の住戸なのです。

 

周辺環境は住みやすそうですか?

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明るく住みやすい住戸内環境ですか?

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マンション内でキャンプできたり、スーパーがあったり、マンション内で楽しい生活が送れるから、駅徒歩30分でもいいや!本当ですか?

周辺環境はちょっと暗めだけど、素晴らしいラウンジやブックスペースがあって、日々楽しそうだからいいや!本当ですか?

 

駅から遠いマンションが悪いとは言っていません。最初の住まい選びの基本で、駅から遠いマンションが本当に自分に合った上で選んでいますか?煌びやかな共用施設ありきからマンションのパッケージングに惹かれているだけではありませんか?今一度立ち返ってよく考えたいです。

 

以前、大規模マンションは充実した共用施設、小規模マンションは住戸の間取りなど住環境重視という記事を書きましたが、決して大規模物件だからイメージの良さだけで部屋を選ばないように、最低限の住環境の確保は念頭に部屋を選びましょう。部屋の明るさ、周辺環境から派生する住みやすさなど、住宅に関する基本はしっかり押さえ、その上で、充実した共用施設で生活に彩を加えてくれれば言うことなしです。

 

また、そもそも共用施設と自分のライフスタイルの関係や周辺の商業施設の充実度などをよく紐解き、あえて大規模マンションを選ばなくて済むのであれば、間取りが良かったり角部屋を選べたり、良い条件の住まいを選ぶ選択肢を増やすことができるのです(関連記事)。
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最低限必要な施設、サービス

せっかくの大規模マンションですから、できれば最低限の共用施設、サービスは欲しいですよね。

まず24時間有人管理。共働き世代が増える中、仕事帰りが遅くなっても、時間に関係なく住まいのことを相談できる体制は助かります。次にキッズルーム子育て支援的な意味合いからも子供ができると重宝するばかりか、マンション内でのママ友、コミュニティづくりにも一役買う貴重な空間になります。将来的には集会所や他の使途スペースなどへの転用もしやすいと思います。シェアサイクルも便利です。基本、マンションは1住戸2台まで自転車置き場が割り当てられるので、子供が1人、2人できると大体自転車置き場が足りなくなります。また車離れが進む中、自転車需要は高まっており、シェアサイクルがマンション内にあることはとても時機に適ったサービスと言えます。住戸設備で言えば、ディスポーザー生ごみ処理機)は欲しいです。これはマンション全体での設備になります。後付けはできないため、できたらディスポーザー完備のマンションがおススメです。各住戸に防災倉庫を設置するマンションも増えていますので、あるに越したことはないと思います。大規模マンションといえば、車寄せは結構重宝すると思います。車をマンションに付けて荷物を住戸へ運んだり、人を下ろしたりする機会は多いです。車寄せがあるマンションと、無くて近隣が車を止めにくい立地に建つマンションでは雲泥の差です。マンションの将来的な資産性を考えた時には、よそ様から素敵なマンションと評価されるような、吹き抜けの豪華なエントランスなども住まいの構えとしては必要だと思います。戸建てではなくマンションに住む誇りも持てると思いますよ。

他、自分自身にとって必要で、マンション界隈ににないサービス、それは駅から遠いマンションであればシャトルバスなど、を補うような共用施設を事前によく考えておく必要があると思います。

 

最後に

重ねて言いますが、コスト面では大した負担にならないので、充実した楽しい共用施設サービスはあるに越したことはないです。楽しい生活を送れるでしょう。ただし、自分にとって本当に必要なのか、マンションに隣接した公共や民間の施設で補てんできないかを確認したうえで、ひょっとしたら維持管理コストや使用料金などの負担、将来的な運営リスクが増えるほど必要ないかもしれません。

なにより、大規模マンションの豊かな共用施設のイメージに惹かれるより前に、住まいの基本となる部屋での暮らし心地を重視してマンション選びをする事が一番大事です。これだけは漏れずに忘れないようにしてほしいです。