f:id:murakoshi5:20180328005644j:plain世田谷と言えば、高級住宅街ブランド。でも結局物件は、需要と供給のバランスです。世田谷に限らずどんなエリアでも、選ばれずに価格が相場より割安になっているマンション物件はあります。

なぜ、相場より安い物件が出てくるのか

なぜ安い物件が出てくるのかと言えば、主に以下による影響が大きいと思っています。
① 定期借地権付き物件
② 物件自体が絶対的なハンデを背負っている物件
③ 周辺相場を創る価値を相対的に享受できない物件

②、③は簡単に言うと、主に「日当たり、採光、眺望、騒音」において、周辺物件、環境から比較して、また、その物件自体においても芳しくない条件を指します。ただ③は立地によっては「人気アドレス、学区」など無形のブランド価値も含みます。他にも、人気薄な中小デベロッパーのマンションであることなども影響したりします。

ですので、その立地を検討する際、これら1つでも捨てることができない人は、自分の手の届く範囲の立地でマンションを探すようにしましょう。家が好きで、日当たりなど住環境の条件にこだわる人は、立地ありきでマンションを選ばないようにすることです。僕も元来出不精で、「家はやっぱり明るさ・広さ」という価値観を捨てきれなかったので、世田谷で自分の手が届く範囲で安く手に入れたマンションでは満足を得ることができませんでした。

逆に、活動家で家でのライフスタイルを好まない人、家は「住めればよい」という考えの人、家に住環境の良さを求めるより何より「立地に住む」事自体に強い動機がある人は、割安な物件を選択肢の1つにする事は理に適っています。

「相場」「安い」定義、理由などの詳細については、前回のこのマンションについての記事、前々回「江東区豊洲」の記事で触れてきました(関連記事)。

世田谷でマンションが安くなる条件

人脈なのか、職場なのか、実家なのか、世田谷の街並みや雑貨屋さんがとにかく大好きなのか、芸能人が大好きで近くに住みたいのか、陽当たり、閑静、それら住宅価値を捨ててでも、世田谷に安いマンションを探してどうしても住みたい!とにかく立地ありきだと「自分なりの」優先順位を確認できた人は、安い物件を探してみましょう。

上記、①~③の条件の中で、特に世田谷区で割安になるような物件の特徴は以下だと個人的に考えています。

世田谷区は、90%以上が住居用の土地であることと

f:id:murakoshi5:20180316013907j:plainその中でも、建物の高さ制限や飲食店を建てられないなどの「第一種低層住居専用地域」が50%を越えることが世田谷の住宅価値を形成します。都心に近く、それでいて住環境の豊かさが当たり前であること、つまり低層階のマンションでも眺望があり、日当たりがあり、採光が十分で開放感がある、そして閑静な住環境にあることが、世田谷ならではのマンション相場を創る主な要素と言えます。

世田谷区の交通の要は、東から西へ走る人気の私鉄3路線(京王線、小田急線、東急田園都市線)と、縦横2本ずつの大型幹線道路(縦に環状7号線、環状8号線)、(横に甲州街道、国道246)であり、この交通の特徴が、住環境、相場に影響を与える要素の一つになっています。

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沿線の駅チカ、幹線道路、都道、区道沿い以外は、ほぼ第一種低層住居専用地域になっており、世田谷区の住宅人気を下支えしています(極端に分かりやすくした話)。裏返せば、住宅用途以外の土地、すなわち人気の駅チカを除く、幹線道路沿いや交通量が激しい一部の道路周辺の立地に建つマンションは、日当たり、採光、眺望、騒音についてハンデがある物件になるため、割安な物件が出やすいと考えられます。

世田谷区内の、他の住環境が良いマンションと見比べた人は、その物件を選びづらくなり、結果評価が下がり割安な物件になるという構図です。

世田谷の安いマンション

東急田園都市線用賀駅徒歩10分、築10年、70㎡のマンションは、およそ7,000万円前後。これが同条件での相場観です(2018年現在の相場観)。

同条件で、相場よりも1,500万円ほど安く中古物件として売りに出されているこのマンション(2018年3月26日現在の情報→7月9日現在、更に500万円値下げされました)。

ザ・パームス用賀

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5,480万円→4,980万円(2018年7月9日現在)
東京都世田谷区中町
東急田園都市線用賀駅徒歩11分
東急大井町線上野毛駅徒歩16分
73.51㎡(3LDK)
2006年2月築
6階建ての4階
分譲:トーセイ
施工:大日本土木

なぜ相場より安かったのか

相場より価格を押し下げる、このマンションのデメリットは、マンション南向き(リビング開口部側)が、交通量の激しい「用賀中町通り」に面していることで、夕方、土日はマンション前がかなりの頻度で渋滞しており、騒音、喧騒度が高いこと。加えて、その用賀中町通り挟んだ南側の土地が、「近隣商業地域」という世田谷ブランドとしては致命的な住居用用途としての制限が少ない土地で、7階建てのマンションが建っており、眺望、日当たり、採光、開放感が制限されることです。

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安くても良いところ!

それでも、デメリットを踏まえた上で、このマンションの良いところは何といっても、マンション住戸の住み心地の良さと、世田谷ならではの周辺環境、交通利便性の良さにあります。

楽しい間取り

このマンションは、25戸という小規模レジデンスですが、1LDKから3LDKまで様々なタイプの部屋があり、それぞれがありきたりではない、楽しい設計の間取りに作られています。この部屋の間取りです。

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①クランクイン廊下
一般的な間取りの玄関は、玄関を開けたら、そのまま直線でLDまで見えてしまいますが、クランクイン(ジグザク)だと、玄関で客人と対応しても、住戸の奥を見られることはありません。それだけではなく、廊下を通りかかった隣接の住人にも、玄関を開けた時に家の中まで見られることがありません。玄関を開ける時や訪問客とやり取りする時に、家の中のことで気を遣わなくて良いわけです。また、クランクインの玄関、廊下だと、玄関や廊下の突き当りに絵やオブジェを飾ることができます。一般的なマンションだと、ただ味気のない直線的な廊下で、そうはいきません(関連記事)。

間口に対して垂直置きのキッチン
住戸南北の間口に対して、キッチンの天板が垂直置きになっている事で、廊下から入ってきた客人にキッチンの中を見られることがありません。主婦にとっては嬉しい自分の城になります。地味なようですが、通常のマンションでは、スペースの都合上、この設定は中々できません。

② 3面開口の寝室
寝室は、東南西向き3面に窓があるので、一日中明るく、当時は日当たりも抜群(通り挟んだマンション建設前)。

そして、なんと言っても角部屋!隣にマンションが建っており、少し詰まってはいますが、それでも開放感や風通しが違います。

このような面白い間取り、そうありません。世田谷だって、ブランドマンションだって、およそのマンションが、デベロッパー都合で以下のようなありきたりな間取りになってしまうからです。

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(関連記事)

設備、素材仕様の充実度

設備・素材などの仕様面でとても充実していて過ごしやすいつくりになっています。

① タイル張りの床
LDと居室のフローリング以外、廊下、トイレ、洗面室と、全ての床がタイル張りで重厚感、清潔感があります。通常のマンションでは、トイレはビニールシートだったり、廊下はLDと同じフローリングであったりします。

② 全室ダウンライト標準装備
廊下や玄関、キッチンなどは、ダウンライトが付いているのが一般的なマンションですが、このマンションは、他にも、LD、3つの居室に全てに、ダウンライトが標準装備されていました。つまり照明を購入する必要がないのです。明るさ調整付きでとても便利。

③ リビング埋め込み式エアコン
通常、エアコンが装備されていることは稀ですが、LDに天井埋め込み式のエアコンが標準装備されており、インテリア上の見栄えもよいです。

要は、もともと住戸の価格は安めの設定であるにもかかわらず、細部がコストカットされていないのです。ブランドマンションで、外観ばかり煌びやかでも、特にマンション高騰時代の今は、設備仕様で削っているマンションがほとんどです。消費者にとって見えない所においても力を入れている良心的なマンションだと思います。

周辺環境

何といっても、これですね。マンションが建っている立地は、残念ながら「近隣商業地域」という用途地域で、用賀中町通りに面していて、道路沿いに高いマンションが立ち並び、喧騒がある環境なのですが、一歩入ると、上野毛、中町、用賀といった、まさに、「ザ・世田谷」の第一種低層住居専用地域に高級住宅が軒を並べ、空が開けていて開放感ある閑静な住宅街になります。僕が知っているだけで、元祖トレンディ女優、昔一世を風靡したバラエティタレントに、誰もが知っている某サッカー選手、超有名元大リーガーに、国民的歌手といった有名芸能人が、マンションから徒歩10分圏内に当たり前のように住んでいます。名実ともにアドレスに誇りを持てる住みやすい街並みです。

周辺にはスーパーやコンビニも多く日常のお買い物にも事欠きません。自転車で少し足を伸ばせば、

駒沢公園

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馬事公苑

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砧公園

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等々力渓谷

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二子玉川と

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遊ぶスポットや公園、自然も多く、まさに世田谷を謳歌できる立地に位置しています。

交通利便性

まず鉄道ですが、2駅2路線を利用できます。東急田園都市線用賀駅が最寄りですが、人身事故など万が一の時は、徒歩16分ほどの東急大井町線上野毛駅の利用で、渋谷品川方面から移動することもでき便利です。

車の移動としては、東名高速の東京インターで首都高速、静岡、名古屋方面へ、第三京浜の玉川インターからは横浜、湘南方面に出られて、車ユーザーにも機動力も発揮します。

特に、一番便利に重宝していたのがバスです。マンション目の前に「新学院前」バス停があり、用賀駅、等々力、恵比寿駅方面へ出られます。特に雨の日や荷物が多い日などは、用賀駅から頻繁に便が出ているため、気軽にバスで帰宅することができるでしょう。

物件の良さは以上になります。

繰り返しますが、世田谷は、住環境の良さ、住宅ブランドが根付いた立地に、多額の投資でちゃんとした広いおウチを手に入れて始めて、ゆったり期待通り住める場所です。割安な場所にそれら住宅価値を求めたり、身分不相応に背伸びして住居を購入すると後悔します。

以上を踏まえた上で、活動家で家でのライフスタイルを好まない人、家は「住めればよい」という考えの人、家に住環境の良さを求めるより何より、「立地(世田谷)に住む」事自体に強い動機がある人には安い物件も選択肢の一つとしてお勧めできます。相場よりも割安な物件を見つけることがきっとできるでしょう。

そんな方へ。
世田谷の人気の街に建つ割安なこのマンション、世田谷ライフを満喫できるお勧め物件です!

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