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都心部から隅田川を渡って両国国技館を抜けると、北斎通りという古き良き風情と新しき文化が共存した街空間があります。今回は、その周辺に佇む戸建て感覚の素敵なマンションのことを。

住みやすい「北斎通り」周辺環境

北斎通りは、西は両国、清澄通りとの交差点から、東は錦糸町駅を更に東へ錦糸橋がかかる横十間川までの約2キロの道路です。

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「富嶽三十六景」で知られる「葛飾北斎」生誕の地が、現在の東京都墨田区亀沢アドレス付近にあることから、付近を東西に横断するこの通りが北斎通りと命名されました。

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北斎通りのランドマーク的存在である「すみだ北斎美術館」や、周辺の公園など、街のあらゆる場面で北斎の絵を目で楽しむことができます。

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北斎通り西側突き当り、巨大な建築物が目を引く「江戸東京博物館」。

f:id:murakoshi5:20180620021505j:plain常設では江戸の街をなぞらえたな巨大なセットや模型で、江戸の街文化や歴史の集大成を目の当たりにすることができます。

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この墨田「亀沢」周辺の地は、江戸ゆかりの史跡が数多く点在し、古き東京の良さ、ルーツを感じることができます。

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一方で、亀沢アドレス付近には、近年、カフェや雑貨屋さんなど新しいショップが軒を連ね、江戸文化と現代が融合した街並みの装いを見せてくれます。

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北斎通りは無電柱が進められ、とても空が広く明るい開放的な街空間。

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北斎通り周辺一帯は、歴史を辿るも、美味しく飲食をするも、和雑貨などのお買い物をするも、散策をするもよしという遊びのスポットだけが魅力ではありません。

近隣の、大型南北約1.8kmにもわたる大規模な「大横川親水公園」は、日々の子育てや高齢者のウォーキングなどを自然豊かな中で楽しむことができ、また表通りから一歩入った車通りが少ない閑静な住宅地は、日々の生活にも最適な環境と言えます。

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商業施設やスーパー、コンビニなどの小売店舗も多く、日々のお買い物にもとても便利なエリアです。

都営大江戸線の「両国」駅や、JRと地下鉄半蔵門線の「錦糸町」駅など、複数路線利用で都心要所への交通利便性も高く、若い単身世代から子育てファミリー層、高齢者まで、明るく楽しく便利に過ごせる土地柄が魅力です。

この環境に快適に住むためのマンション選定の難しさ

このエリアに住みたいと考えた時、特に新築や築浅、ゆったりした広さでファミリータイプの分譲マンションを見つけるのが難しい実態があります。

用途地域のほとんどが、準工業地域もしくは商業地域で構成される北斎通り周辺は、昔ながらの住宅、零細の工場、事務所ビルなどで密集しており、広い土地が出ることが少ないので、分譲や賃貸マンションが建っても、コンパクトな物件になってしまいがちだからです。

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JR総武線、三つ目通りや国道14号線沿いといった開放的な環境にファミリータイプのマンションが建つことは多いのですが、それら立地は喧騒が大きいので、ファミリーでゆったり住むためには正直選びづらいと思います。

良いマンションも数件はあるのですが、当然エリアの人気が高いため、良い物件が売りに出されてもすぐに買いが付いてしまいます。例えば、北斎通り沿い2015年築の「ウェリス錦糸町北斎通り」というマンションの物件が、先日、7,000万円近くで売りに出されましたが、すぐに売却が決まりました。現在でも数人が売り出しを待っているようです。

住宅地に建つ戸建てライクなマンション

このような周辺環境において、北斎通りから北へ少し入った閑静な場所に、ファミリーで住みやすそうなマンションを見つけました。

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エクセレントシティ両国石原
東京都墨田区石原4丁目
JR総武中央線「錦糸町」駅徒歩12分
地下鉄半蔵門線「錦糸町」駅徒歩12分
都営大江戸線「両国」駅徒歩12分
都営浅草線「本所吾妻橋」駅徒歩14分
7階27戸
分譲:新日本建設
施工:新日本建設
管理会社:新日本コミュニティ
用途地域:準工業
築年月:2014年8月

このマンションの良さは、4方向接道した小さい1区画全てをマンション立地にあてたことで、開放的な角住戸100%を実現したこと。更に住み心地を重視した住戸の間取り設計による、戸建てライクなマンションデザインにあります。

角住戸率100%を実現した4方向接道の立地

ゆったりしたマンションを立てづらい難しいエリアながら、4方接道した開放的な1区画をマンション立地に充てています。

f:id:murakoshi5:20180620023304j:plain(画像出典:グーグルマップ)
小規模レジデンスながら、ワンフロアを4戸(1階は3戸)にすることで、100%角住戸を実現しました。

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住戸の向きを、道路幅が広めの東側と西向きにしているため、日当たりはある程度犠牲になりますが、細かな区画が密集したこのエリアにおいて、建物の4方向を接道させ、開放感、眺望、採光、風通しの良さを目指したマンション設計が目を見張ります。

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住戸東側です。

f:id:murakoshi5:20180620023455j:plain東向き住戸が面しています。前面が広めの一方通行道路なので開放感があります。採光も十分でしょう。

住戸南側です。

f:id:murakoshi5:20180620023559j:plain南向きの住戸にしなかった理由は、東、西側に比べ高い建物で詰まっている環境のためです。東南角住戸、南西角住戸の側面になります。3階以上の住戸だと、南側の日当たり、採光も十分だと思います。

住戸西側です。

f:id:murakoshi5:20180620023808j:plain若干南向きの西側。西向き住戸が面していて、マンションの駐車場の敷地も含めて東側と同様開放感があります。

住戸北側です。

f:id:murakoshi5:20180620023845j:plain南向きと同様、狭い道路に面しています。住戸のエントランスがあるので、1階は北西角住戸がなく、3戸の設定になります。

以上、小規模ながら、すべての住戸が2面開放の角住戸設定としてのプライベートレジデンスに仕上がっています。

住み心地重視の間取り設計

更に戸建て感覚を盛り上げてくれるのが、居住者の住み心地が優先された間取り設計にあります。全27戸中、2LDKが7戸、3LDKが20戸という間取りで、主にファミリー層向けの住まいとして向いていますね。

以下は、現在売りに出されている南西角住戸です。76㎡と、このエリアでは珍しく余裕がある広さの3LDKになります。

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住みやすさを追求したこの間取りの良さは以下です。

①内廊下設計、クランクインの玄関廊下
②アウトポール設計による整形の居室
③柔軟利用できる2面窓のLD

内廊下設計、クランクインの玄関廊下

マンションの共用廊下が、各住戸の居室に接していない内廊下設計であること、また、住戸内ジグザグなクランクイン玄関廊下を採用することで、住戸内に奥行きを感じられる戸建てライクな邸宅感を創り出すとともに、玄関先の訪問者や居室前の通行人から住戸内のプライバシー空間を確保しています。マンションの内廊下設計は、全てを角住戸にし、各居室に外部に向けた窓を設けたからこそできる設計。また住戸内玄関入ってジグザグに長い廊下をつくるのは、ともすると非効率的な空間利用になりがちで、その分リビングや寝室の空間にしたいと思われがちですが、76㎡というゆったりした広さと4隅の柱を外に出したアウトポール設計によって空間を効率利用できるからこそ、贅沢な使い勝手の良い間取りデザインに仕上がっているのです(以下関連記事)。

アウトポール設計による整形の居室

4隅の柱をすべて居室外に追いやるアウトポール設計にした事、合わせてクローゼットを居室内に出っ張らないように上手に収納配置をしたことで、全ての部屋が正方形に近い整形な部屋に仕上がり、家具の配置や人の作業のしやすさなど、格段に使い勝手が良い部屋空間に仕上がっています(以下関連記事)。

柔軟利用できる2面窓のLD

2面に窓を設置したワイドリビングダイニングは、広々感、明るさ共に十分です。加えて、隣の洋室との境がウォールドアなので、家族が少ない時はウォールドアを開けて、更に大空間のリビングダイニングにすることも可能です。

以上、中々ない間取りの作りこみに感動し、どうしても紹介したくて今回久々に間取り図を独自作成してみました!このマンションデベロッパーについて、ほとんど知らなかったのですが、大手には中々できない素晴らしい間取り。エクセレントシティシリーズのマンション、注目しています。

最後に、この住戸、できたら3階以上を選びたい所ですが、1階住戸でも戸建て感覚で十分ゆったり住める立地、マンションデザイン、間取り設計だと思います。

物件の相場観、価格

2018年6月20日現在、上記の1階南西角住戸が5,980万円(@256万円)で売りに出されています(1坪3.305㎡で計算)。

マンションブランドや駅から離れたエリアから考えると、若干高めの印象もありますが、都心から近く、複数路線利用できる便利な立地であり、上記のような、間取りなどの住宅価値、環境等を踏まえると、十分に価値がある物件だと考えます。錦糸町、両国界隈は、東京東部エリアにおいて近年住宅価値が大幅に上がっている地域の一つで、新築時の売り出し価格は当然今の相場より低かったはずです。逆に今新築ができれば、更に高い価格設定になるでしょう。願望として、できれば3階以上で5,500万円前後だと優しい価格でしょうか。

→7月23日現在、5,680万円に価格改定。

→9月17日現在、4,980万円に価格改定。 

気になった点

何点かあります。まず、マンションについて。
管理費が割高であること。共用施設がほとんどないにもかかわらず月18,700円。近年特に都心に近いマンションの管理費が高騰しています。また駐車場が27戸につき3台分であること。都心のマンションは車離れから駐車場の空き問題はあるものの、車好き、車を所有している人にとっては大きなデメリットです。それと1階住戸の防犯体制面は気になりました。いずれも小規模レジデンスであることに起因するデメリットですね。

次に周辺環境ですが、周辺は零細の工場がたくさんあり、平日の日中は騒音が気になる時間帯があります。ただし夜や休日は過ごしやすい閑静な環境になります。また、割と空が抜けた明るい環境であるものの、古く小さい工場や住宅も多く、周辺が将来的に高い建物に覆われないとは言い切れません。細切れな土地が多いため、個人的には現在の環境がしばらく続くものとは感じています。

最後に

人気のエリアにマンションを購入したい人は山ほどいるでしょう。一方で、人気エリアというだけで拙速に物件を選んでしまわないように、快適に生活できる立地環境や、居住者目線の間取り設計になっているかなどをよく吟味し、「住みたい」願望から「住みやすい」実現に向けて、焦らず慎重な物件選びをすることをお勧めします。

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