私がマンションに関連する本を読み始めたのは、マンション購入の失敗を重ねた後のこと。初めてマンションを検討する人には、準備の1つとして、事前にマンションに関する良著を読んでおいてほしいです。僕が10冊近く読んだ中で特に良かった2冊と、番外で与沢翼さんの本をオススメします!

マンション大全 三井健太

「大全」と言う名の通り、マンションの価格を形成する事業構造やマンションの特徴を、わかりやすく説明してくれます。現在、三井さんは、マンションアドバイザーとして活躍されていますが、実際に分譲マンション大手にて、企画から営業まで全ての実務経験があり、その知識や見識、経験から、全ての発信、裏付けに消費者目線だけでは到底理解できないような説得力があります。

三井さんが一番大事にしている視点は「資産としてのマンションの見方」です。日当たりや眺望、環境などの「居住性」は人それぞれの好みがありますが、人生の中での住まいを考えた時に、誰にとっても外せない視点が「資産性」である事を説いています。ただし、資産性とはお金に関することばかりではありません。いかに、合理的に良い住まいを選ぶ事ができるか、ライフスタイルに応じた住まい選びができるかという、安心かつ豊かな人生を送るための1つの手段として「資産性」を用い、莫大な情報の中から、良質なマンション選びの情報整理を紐解いてくれているのです。

資産性を持てるマンションの特徴、選び方を、これだけの幅広い見識や経験、データで説明されると、誰でもマンション選びのレベルが数段上がると思います。

マンションが高騰し選びづらくなっている中、よりたくさんの選択肢から選んでいこうという指南もしてくれます。すなわち、新築マンションだけでなく、中古マンションのすすめです。マンションの構造、中古年代別の特徴、法整備の背景、消費者の古い物への心理など、中古マンションが選びづらい問題点を明確にした上で、良質な中古マンションを選ぶ方法は、長年、マンションを提供する側にいた筆者ならの説得力があり、一般消費者の中古住宅に対する見方や不安を一瞬にして変えてしまうほどです。

とりわけ、人間のライフサイクルを考えた時に、中古マンションの選択肢を絡めて資産性が高いマンションを選ぶ方法のくだりは必見です。目から鱗です!

「大全」という、マンション業界の実情や、マンション構造などの知識について、専門的な見地から書かれていて、マンション好きにも趣味の領域として垂涎物の本である事も付け加えておきます。

絶対に満足するマンション購入術 のらえもん

不動産業界の人でもない「のらえもん」さんが、これだけマンションのことで注目され、経済誌へ寄稿したり、何冊も本を出されている理由が、本書を読むと納得できます。

それはまさに1章のお題「戦略的」という言葉に顕れているように、のらえもんさんの真骨頂である冷静さ、大局観「マクロ経済的な幅広い視点、ビジネススキル」と、熱い想い「自身が住む湾岸エリアが叩かれた悔しい思い」をシンクロさせ、情報が少ない消費者にとっての「後悔しないマンション選び」を、長年様々な専門領域のプレイヤーと議論を重ねて掘り下げてきた深みがあるからに他なりません。

ツイッターで炎上を重ねながら、反論をしっかり理論で返し、時には柔軟に受け入れ、その過程で様々な人を巻き込みながら作り上げてきた、のらえもんさんならではのマンション論は、消費者側に立ち、消費者に損をさせない、後悔させないために考え抜かれたマンション選びなのです。

この本の素晴らしい点は、3章、4章、5章、6章を思い切って、「のらえもんに聞く!」というQ&A方式の構成にしたことにあります。三井さんの本を読み、「なるほど!」と様々な事が理解できた中で実際にマンションを選び始めてみると、オプションの選び方や住宅ローンの手続きなど、選ぶ人の事情背景により、細かい疑問点や個別案件が浮かび上がってくるものですが、あらかじめ最大公約数の質問方式としてイシューをいくつか提示し、それにのらえもんさんが答えることで、読んでいる側が易しい目線で「腹落ち」できる親切な内容となっています。

一見アカデミックに感じないQ&A方式の構成にしたのは、消費者目線を大事にしている、のらえもんさんらしさの顕れでしょう。

特に、のらえもんさんが着目する「データ」「価格の歪み」を元にした、新築マンションの買い方と、住宅ローンの選び方は必見です!自身の湾岸エリアでの長年にわたる幅広い見聞や経験に基づいているので、とても納得性があります。他にも、長年様々な人を巻き込んできたマンションに関する裏技的な解決方法やノウハウも提供してくれます。

最後に、のらえもんさんといえば、やはり「湾岸エリア」「タワーマンション」でしょう。いままで、ツイッター上で繰り広げられた議論の数々は伊達じゃありません。三井さんが中古マンションの不安を払拭してくれたように、のらえもんさんはタワーマンションの様々な社会に出回っている懐疑的な見方を丁寧に解決してくれます。板状のマンションを当たり前のように選ぼうとしている人にも、ぜひ目を通して欲しいと思います。

この本は、数時間で読めてしまう新書判サイズながら、「絶対に満足するマンション購入術」が詰まっていて、常に傍らに置きながら辞書のように参照できる良著です。

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お金の真理 与沢翼

「お金と人生」「お金を増やすこと」について、与沢さんの経験と見識を惜しみなく露わにしている良著。お金を戦略的に貯めて稼ぐ、まさに「真理」が書かれています。私は、この本を読んでお金に対する見方が変わりました。

本の中では、高級マンションや不動産の購入についても、与沢さん自身の経験から多くの場面で触れられていて、今更ながら、今まで私が行ってきたマンション売買について、激しく後悔しました。負債を抱えてマンションを購入することが、自分の人生、キャリアにどんな影響を与えるのか。タワーマンションの高層階に賃貸で住む人、マンションを背伸びして購入して満足する人が、経済社会においてどのような立ち位置を担っているのか。「マンションを購入しよう!」と激しく動機が高ぶったときに読むと、一旦冷静にさせられ、読む人それぞれの人生の中で、様々なマクロ的視点からの気づきが得られる本です。戦略を立てて人生の分岐点であるマイホーム購入すること、合わせて不動産投資についても考えさせてくれます。マンション選びを始める前に、絶対に読んで欲しい本です。

最後に

三井さんとのらえもんさん共に、情報を優先順位付けし整理をする、その上で、居住性もさることながら、リセールバリューを確保できるマンションを選ぶ極意を指南しながらも、アプローチが若干異なります。

三井さんは、確かな経験を源泉とした圧倒的な見識によって、誰にとっても説得力ある方法論を説いているのに対し、のらえもんさんは、長年ツイッターや人脈で培ってきた「不動産のプロ達は大事な事を隠している!」視点と自らの卓越した観察眼から、あくまでも消費者にとって役立つような情報を取捨選択し、選ぶ際に「重箱の隅を」的な実質的アプローチを試みています。

まずは、この2冊をしっかり読み込めば、マンション選びの準備、心構えは整うことでしょう。そして、マンションを購入に踏み切る前に「お金の真理」を必ず読んで、マンションを購入することは、どのような活動なのか、マクロ的な見地から自分の人生をしっかり見直し、購入戦略を立てましょう。

以上です。引き続き、マンション選びに役立つ良著を見つけたときは、更新したいと思います。
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