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マンションは試着ならぬ試住ができません。本来であれば、一生モノの高い買い物だからこそ「試す」ことが必要に思えますが、試すどころか、大手新築マンション物件なんかは、物件が経つ前にモデルルームだけで契約することもザラです。だからこそ介入してくる営業マンの存在は大きいのですが、営業マンがハズレだと、大失敗の買い物になって大きな後悔をしかねません。ということで今回は、僕の失敗談から、営業マンを見極めたいというお話をします。

 

不動産売買、不動産仲介、2つの営業スタイル

「どんな営業マンが良いのか」以前に、不動産の営業マンには大きく分けて2つの事業に携わっているタイプがいることを理解しておく必要があります。

売買・賃貸物件を『仲介する』営業マン

まず、流通している様々な物件(中古、新築、マンション、戸建て)を『仲介』している事業の営業マンです。それぞれの会社で「戸建てなのか、マンションなのか、中古なのか(もちろん新築の仲介もあります)」仲介の事業形態も様々ですが、売買や賃貸を仲介し成立させて手数料収入を得ている事業ということでは同じです。会社や営業マンは、流通しているたくさんの物件を契約させてどれだけ手数料を稼ぐかが大きな目標になります。仲介を成立させるスピードと成約量が営業に求められているわけです。単価が高く、販売数量が少ない事業ですから、とにかく売る力が働きやすくなることが容易に想像できます。

・自社の新築物件を『販売する』営業マン

もう一つのスタイルは『販売』です。主にデベロッパーが自社で開発している新築マンション物件を販売して、販売価格から原価や経費を除いた利益を一つの物件ごとに出すことを目的としています。こちらは、自社のできあがった物件を新築期間に売り切らなければなりません。仲介と違うところは、限られた新築期間において、在庫がだぶつかないよう、ある一定の利益を出すことですから、営業マンには、スピードが求められます。物件内の住戸数には限りがありますし、原価と売上総額は決まっていますから、営業マンに求められる販売量は、『仲介』のインセンティブほどは効かないように思います。それは私の経験上からも、営業マンの姿勢として感じます。

 

不動産の営業、なぜイメージが悪いのか?

どうも不動産の営業マンのイメージが良くありません。なぜでしょう。僕だけでしょうか。以下の3点が、主な原因(売り手と買い手のギャップ)として考えられると推察します。

冒頭でも話したように、消費者が住居を1か月どころか一晩でも試すことができないため、物件と特徴を自身で判断できない事が、まずあります。これをマッチングさせることは誰にとっても難しいことですよね。これはどうしようもないです。

次に、先にも書いたように、営業マンにスピードが求められているのとは全くの逆で、我々住まいを購入する消費者は一生モノの買い物をしようとしているので、当然衝動買いなんてできませんし、意思決定に時間がかかるのは当然です。ここに時間的なギャップが生じます。

次に情報のギャップがあります。不動産の買い物において、物件の内容、不動産情報や知識、そればかりでなく買い手それぞれの意欲や嗜好、価値観など、判断すべき材料や情報量が多すぎて、それらを営業マンと消費者が全てを知りえない、マッチしきれないことも大きなギャップにつながります。特に短期間で契約したい営業マンとしてはなおさらです。

では、それらのギャップをすこしでも埋め、後悔しない一生モノの買い物ができるために、営業マンのどこに気をつければよいでしょうか。またどんな営業マンを選べばよいのでしょうか。

 

マンション購入失敗しないために、こんな営業には気をつけたい

大きく分けると、以下のような営業マンには気をつけたいです。

「買い手の価値観を理解してくれない、引き出そうとしてくれない」

→コミュニケーション能力の欠如

「連絡やアポを急ぐ、売り急ぐ」

→自社都合、営業マン都合

「欲しい情報を公開しない、都合の悪いことは隠す」

→不誠実

「情報を操作する以前に専門知識や不動産のことを知らない」

→経験不足

 

マンションは、こんな営業から購入したい!

それでは、どんな営業マンから購入すれば、少しでも後悔しない住居選びができるでしょうか。

 買い手の価値観を理解し、引き出そうとしてくれる

初めての不動産選びにおいては、買い手側の潜在化されている価値観、優先順位を、購入前にある程度理解してから購入すべきだと思います。営業マンが短期間の販売時間という限られた中で、どれだけ一緒に考えてくれるか、引き出してくれるかが重要です。本当に人気の街がよいのか、広さなのか、駅近なのか、漠然としている部分が多いと思うのです。そんなキーワードを洗い出そうとしてくれる営業マンは優秀だと思います。言い換えると、凝り固まったイメージで購入しに来た買い手の選択肢を、いったん広げてくれる人ですね。僕は以前、戸建てを検討していた時に、こんな営業マンがいました。「とにかく世田谷区で予算○○円以内で探したい」とお話ししたところ、郊外まで連れて行ってくれ、『庭付きでこんなに広い家に同じ予算で住めるのですよ』と、自分の頭になかった選択肢を提示してくれしました。試住はできなくても、色々な価値観の疑似体験をさせてくれる営業マンが良いですね。特に一つの新築マンション物件を『販売』する営業マンに求めるのは難しいとは思いますが、様々な物件を運んでくれる『仲介』の営業マンには求めたい要素です。

顧客都合でスケジュールや連絡体制が動き、買い手の判断を早めたり鈍らせない

不動産の営業マンにありがちです。「連絡先を教えてほしい!」とか、「販売事務所まで来るだけで良いので1度来てほしい!」「今日契約してくれるなら値引きしますよ!」「もうすぐ他のお客様で申し込みが入りそうです」といった誘い文句で、買い手の行動や契約を急いでくる営業マンは注意です。結局顧客の住まいの価値観より自分の販売が大事なのですから。これも特に『仲介』の営業マンには見てほしいポイントです。自社の新築物件『販売』については、そこの物件が気に入らなければ営業マン以前に見る会社、物件を変えれば済むことですが、『仲介』の営業マンは、色々な物件を紹介してくれる付き合いになるので、そのような営業マンとは付き合いを打ち切ったほうが無難だと思います。

都合の悪い情報を教えてくれる、聞くと必ず事実を的確に教えてくれる

当然といえば当然なのですが、都合の悪い情報は誰でも流したくないものですよね。例えば、陽当たりのことを聞いた際に、「東京都内では陽当たりはよいほうですよ」とか「この価格では陽当たりは良いほうです」とか「夏になれば日当たりはよくなりますよ」とか、的確な答えを持ちえない営業マンは信頼できません。これは、その販売物件が良いのか悪いのかを判断するうえで、特に『販売』の営業マンに対して求めたいです。新築マンション物件の中には売れない部屋もあるので、何とか販売しようとごまかしたりする人はだめです。一方で、「この部屋は実際に陽当たりは悪いです。それでも価格が安く、立地が良い物件なので、お客様の価値観としてはどうですか?」としっかり的確に向き合って答えてくれる営業マンは信頼して部屋選びを任せられると思います。

経験豊かで、不動産・住宅の様々なことを知っている

最後はここかなと思います。ある程度営業マンの年齢に比例するものではないでしょうか。高額かつ、一生のライフスタイルにまつわる買い物なわけで、その売買にたくさん携わっているからこそ当然ですね。僕が今住んでいるマンションを購入した時、営業マンはおそらく定年後嘱託くらいの年齢の方でしたが、以前2度のマンション購入で失敗していた陽当たりや眺望に対する質問の答えが明確で、「ああ、それなら、購入後も眺望や日当たりが変わることがないな」と安心して決断できました。日当たりや眺望のことなどはまた別途書きますが、返答の内容が経験からくる納得性のあるものでした。年齢が若い営業マンでは、マンションを自分で購入したこともなければ、結婚や出産など生活における人生の経験、売買して入居した人からフィードバックを受けた回数も少ないでしょうし、不動産の「妙」がわからないと思うんです。安心感、納得感という意味では、年齢を重ねた営業マンは任せられる一つの要素かもしれません。

最後に

というわけで、以上4つの視点から、営業マンの大事な資質を自分の経験でお話ししてきました。

『仲介』の営業マンにとっては、様々な物件を紹介してくれる付き合いになるので、何より、住まいに関する「価値観を理解し、引き出してくれる」人、そして「売り急がない」人も、大事な要素だと思います。 

『販売』する営業マンには、当然、そのマンション物件が自分の価値観に合っているのか、しっかり相談に乗ってくれる人、そして何より大事なのは、その物件、部屋自体が自分の価値観にとって「イエスかノーか」判断できるように、「事実をきちんと教えてくれる人」「悪いことを隠さないで教えてくれる人」だと考えます。曖昧な受け答え、都合がよさそうな答えは注意です。もちろんこちらからも、気になることをしっかり事前に挙げて置き、しっかり質問しましょう。

一生に一度の高額なお買い物。すばらしい営業マンに出会い、後悔しない買い物ができることが何よりです。個人的にはこの課題を事業にしっかり反映させていくことが、顧客満足を上げるうえで、そして生活している人々が幸せになれるために、住宅関連事業において一番大事な事かなと常日頃思っています。

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