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元気が出る街に建ったマンションが、こだわりぬいた住戸のプランニングで『グッドデザイン賞2017』を受賞しました。角部屋じゃなくたっていい、やっぱりマンションは、間取りにこだわってほしいな。

元気が出る街「東陽町」

東京メトロ東西線の「東陽町」。住所は、東京都江東区東陽です。

東陽町は今、とても旬な街です。交通利便性や東京西部の高級住宅街と比べた住宅市場の割安感などから都心回帰が進む中、東京駅から5㎞圏内に位置するこの地域は、住宅地としても近年注目され、オフィスビルや工場、駐車場跡地に、次々と新築マンションが分譲されています。

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東陽町は、先端のオフィス、住宅街、緑豊かな公園や自然、充実した商業施設と、様々な顔を見せてくれる街。ビジネスマンの熱気、自然との触れ合いの中で、街を歩いていてとても元気が出る街です!

交通利便性

東京メトロ東西線で「東陽町」駅から日本橋7分、大手町9分といった都心中心部まで優れた機動力を持ちます。また、東陽町の駅前のバスターミナルから都営バスが、東西南北、錦糸町、丸の内、豊洲などあらゆる都心の要所をカバーしてくれます。

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オフィス街

江東区の中心部として、江東区役所が東陽町駅の北側にあります。他にも、大企業のオフィスや、中小企業などが多数混在し、ビジネスマンの熱気に満ち溢れています。

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住宅街

大通りを少し入ると、マンションが中心ですが、緑豊かで閑静な住宅街になります。静寂すぎず、女性の夜の一人歩きも安心だと友人は申しておりました。

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商業施設

近隣には、「イースト21」という、ホテル、オフィス、スーパー、レストランが入った生活に便利な複合商業施設があってビジネスマンや家族連れで賑わっています。

f:id:murakoshi5:20171114174218j:plainまた、自転車圏内に、SUNAMO、深川ギャザリアなどの大型複合商業施設があること、ホームセンター、西友やコンビニといった、生活に便利な商業施設が周辺に充実していて、買い物には事欠きません。この都心にいながら、とても良い条件ですね。

自然・公園

何といっても、自然豊かな街中の風情がこの界隈の魅力です。自然と都会が共存していて、とても住みやすく心落ち着く地域です。

物件を囲むように横十間川親水公園があります。

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物件の北側、仙台堀川公園です。カルガモ親子がくつろいでいました。

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都内屈指の広大な木場公園まで徒歩10分以内で歩いて行けます。

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以上、様々な装いを見せてくれる東陽町。その良さが都心回帰とともに見直され、新築マンション建設ラッシュの中、夜間人口がどんどん増えている、今注目されている地域です。

マンション概要

今回は、僕の友人Sさんが購入したマンションの良さを書きます。友人が住んだからではなく、Sさんから購入の相談を受けていた時から、間取りが素敵な良いマンションだと思っていて、どの住戸が良いかお勧めしたりしていました。

 ザ・パークハウス東陽町レジデンス
東京都江東区東陽
東京メトロ東西線「東陽町」駅徒歩9分
11階建て39戸
分譲:三菱地所レジデンス
施工:木内建設施工
築2017年1月

マンションはみんな一緒!?

マンションは一軒家と違い、窓が少ない「中住戸」が多いのが特徴です(当然です)。角住戸はマンションの中でも一部の人しか住むことができません。更に言えば、中住戸は特に、デベロッパー都合から住戸幅6メートルの住戸が金太郎飴のように出来上がります(関連記事)。

ですから、一軒家と比べて窓が少ないマンションは、角住戸に住めなくて中住戸を選ぶにしても、広々として、生活動線が便利でユニークな間取りの部屋に住みたいものです(なかなか無いんですけどね・・・)。

美しい間取り

このマンションの僕が大好きな所。それは、角住戸でなくて中住戸でも、美しい間取りを模索し高い居住性を提供してくれるところです。

この記事を書き始めてから知ったことですが、このマンションは、『グッドデザイン賞2017』を受賞しています。住人の居住性を間取りのデザインにしっかり落とし込んだ企画力が評価されました。

角住戸でなく、中住戸で70㎡3LDKのプラン。現代のファミリータイプのマンションで、よくみる一般的な住戸のタイプですが、このマンションのそれは、消費者の声に基づき、ライフスタイルから考えられた間取りとして、居住者目線でそれぞれコンセプトを持ってつくられています。2つの中住戸のプランを紹介します。

コンセプト『住まいは、ほほえむ』(Aタイプ 70.06㎡)

この間取りの最大の特徴は、夫婦で会話が弾むように、そして家事を最大限便利に楽しくできるように工夫された、ワイドなLDK(リビングダイニングキッチン、以下LDK)の設計にあります。

f:id:murakoshi5:20171114180453j:plain(画像出典:ザ・パークハウス東陽町レジデンス Plan Book)

LDはワイドリビング。キッチンはL字型、かつカウンターも設けてあることで、広々余裕をもって料理を楽しむことができるばかりか、窓を設けることで、明るい環境で換気もでき、衛生面も安心して料理ができます。LDと垂直の対面式完全オープンキッチンによって、LD間での夫婦、家族の会話が弾みそうです。客人からキッチン内下部を見られることもありません。また、洗面室とキッチンを行き来できる2WAYキッチンなど、家事効率が高い間取り設定になっています。

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住戸のスパンは6.45メートルと若干ワイドにしている事から、中住戸でも開放感があります。繰り返し言いますが、通常の6メートルスパンの部屋だとスペース幅が限られているため、このような居住性が高い配置は難しくなりますし、両壁の窮屈感は否めません。

他にも、4隅の柱が部屋に侵食してこない工法で、家具が置きやすい整形の部屋を実現しています。この70㎡クラスとしては、巨大ウォークスルークローゼットもあり、収納も十分です。ちなみに、友人Sさんはこの間取りを選びました。購入時に、4.1畳の洋室(3)を3.0畳DEN(書斎)にして、その分LDKを16.4畳に大きくする間取り変更をしました。

コンセプト『住まいは、ささやく』(Cタイプ 72.53㎡)

この間取りの最大の特徴は、LDKを中心として、廊下を介さず2つの子供部屋と繋ぐ、子供の成長に合わせたコミュニケーション手段としての柔軟な間取り設計にしている事です。

f:id:murakoshi5:20171114180657j:plain(画像出典:ザ・パークハウス東陽町レジデンス Plan Book)

LDKを中心に2つの子供部屋を両脇に置き、暗い廊下を介さず部屋と部屋を引き戸と間仕切りでつなぐことで、コミュニケーション豊かな空間を演出しています。小さい乳幼児をキッチンからすぐ見られるように、LD窓際に洋室を置きました。キッチン、ダイニング子供部屋を並列して窓際に配置できるのも、住戸のスパン(幅)6.7メートルというワイドスパンのおかげです。とても面白い間取りです。

LDを通らずに洗面室からキッチンを抜けてバルコニーまで出られる家事動線も便利です。廊下の面積を少なくしたことで、この70㎡クラスとしては大型のLDKに仕上がっています。

以上、一般的な中住戸の70㎡クラスで、このような居住性を考えた間取りは中々ありません。2つの中住戸とも、ワイドスパンだからこその間取りの柔軟性と両壁の圧迫感を感じさせない開放感。そんな素敵な間取り2つを紹介しました。このマンションは、他のタイプは角住戸になりますが、面白い間取りの部屋ばかりです。

不利な物件立地

このマンションは、他のマンションのようにありきたりな間取りではなく、こだわりを持った間取りを売りにしている、一つの理由があると、私見ですが思っています。

居住性ファーストにしなければならない理由。

それはハンデがある物件立地環境にあります。

通常マンションは、南向きの閑静な立地に建てるのが理想ですから、デペロッパーは用地獲得から力を入れるのは当然でしょう。そのような用地にできたマンションは、大体売れます。少しだけ勉強した消費者は、南向きで、静かで、眺めが良ければという、それが良い条件だと刷り込まれているからです。なのでデベロッパーは、用地取得さえ頑張ることができれば、その立地の力で物件が売れるため、極端な話、それ以外の企業努力を要しません(言いすぎました!)。

言い換えると、物件の環境にハンデがあると、他で売るための努力を要するわけです。例えば、北向きで陽が当たらない、大通り沿いで騒音がある、などがその理由の一部です。消費者に「騒音があるな」「陽が当たらないな」と感覚的に思われてしまう物件は、何か他にマンションの価値というフックを提供して消費者を引き付けなければなりません。

その答えの1つが間取りです。モデルルームに来てくれた人へのセールスポイントとして、他の物件と比べた住み心地をアピールしたりと、居住空間の魅力にウェイトを置くわけです。

これは、以前紹介した、「パークシティ柏の葉キャンパス サウスフロント」にも当てはまります。そのマンションの間取りも、7メートルのワイドスパンで非常にユニークなものでしたが、物件立地が、東向きで、更に目の前に、将来29階建てのタワーマンションができて眺望がつぶれるというハンデがありました(関連記事)。

今回紹介した、この「ザ・パークハウス東陽町レジデンス」も、葛西橋通りという片道2車線の大通り沿いに建ち、住戸が西向きというハンデを持っています。

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騒音や陽当たりにハンデを持った物件立地を補完すべく考えられた、居住性の高いマンションだと僕は思っていました。

友人のSさんは10階を選びました。実際のベランダから見た南西方向の眺望です。

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真西には十何階のマンションが建っており、一部眺望が遮られているのですが、上の画像のように南西方向や北西方向は空が抜けているので採光は十分です。陽当たりも、やや南向きなので、季節によっては午後から夕方にかけて1.2時間ほどは当たりそうですね。

一方で、中小デベロッパーの物件には、用地取得が大手に比べ難しく、加えて企画力も乏しかったりすることで、立地にハンデがあって更に間取りが平凡で居住性が低い住戸もよく見られますから、そこは事前によく吟味したいです。

『グッドデザイン賞2017』に輝いたこのマンション。最大手の三菱地所だからこそできた企画力による、入居者への新設設計がされており、住人が購入してからも後悔しないように考え抜かれた物件です。受賞の所以です。さすが最大手だと思いました。

もちろん、間取りなんかより、静寂な環境だ、南向きで一日中陽当たりだという価値観の人もいるでしょう。住まいに関する優先順位は人それぞれだと思います。

それでも、3回も納得いかずにマンションを買い替えた僕は、個人的に、マンションにとって最重要なことの1つは、やっぱり間取りだと思うのです。日々の生活観にジワジワ効いてくるからです。

東陽町、この界隈は現在、マンションの建設ラッシュが続いていますが、あの大手も、あの大手も、正直言って間取りはイマイチです。確かに南向きなど立地はよいかもしれませんが。それでいて、後発組は価格が高いです。

この物件は、すでに分譲済みですが、先ほど紹介した間取り70㎡で、低階層で5,500万円くらいから最上階でも6,000万円ちょっとだったと記憶しています。割安感はありました。僕には手が届きませんが(笑)。今、これから分譲している近隣の大手マンションの3LDKは、普通の平凡な間取りで6,300万円~などと、特に間取りに労力をかけて売り出すわけでもなく、周辺の住宅市場は過熱しきってしまった感があります。そういう意味でも、「ザ・パークハウス東陽町レジデンス」は、とても価値があるマンションだと個人的に考えています(関連記事)。

一般的な人が思い描く住宅に関する価値観にとっては、少しハンデがあるかもしれないけど、それを補うべく、毎日の充実した暮らしのために居住空間にウェイトを置き、考え企画したことでグッドデザイン賞2017』を受賞した、そんな素敵なマンションのお話でした。

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