f:id:murakoshi5:20181229223506j:plain前回、住み替えにおける売買活動の進め方についてまとめました(参考記事:4回目のマンション購入記③ マンションを住み替えるための問題点)。その中でも売却活動は、住み替えの際の資金計画を確定する要素にもなるので大変重要です。少しでも高くスムーズに売却するために、売主として、どんな努力をすればよいのでしょうか。

 

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売却活動の流れ

売却活動の流れを以下に記しました。
①仲介業者を決める
   ↓  ↓
②営業活動で内覧希望を募る
   ↓  ↓
③内覧応対する
   ↓  ↓
④申込・契約・諸手続き

赤字は主に仲介業者に対応してもらうこと、青字の部分、仲介業者の選定や、自宅に呼んでもらった内覧者への対応については、業者だけでなく自分達でも努力できることです。

 

仲介業者を決める

折り込み広告作成、HPへの掲載、顧客紹介などの営業活動、専門知識を要する契約、諸手続きなどは、高い手数料(売却価格の3%+α)を支払って仲介業者にお願いするわけですが、業者選びは私たちの仕事です。

 

仲介業者の選定
内覧までこぎつける広告媒体などのノウハウ、営業人材、確かな手続きの知識やスピード対応、安心、信用のブランドなどを踏まえて、まずは最大手の仲介業者をお勧めします。三井不動産リアルティ、住友不動産販売、東急リバブルなどが仲介では最大手です。自分の住んでいるマンションブランドと同系列なら尚更良いですね。

 

また、住み替えのケースでは、購入先の新築マンションデベロッパー(の子会社)などに売却活動も合わせてお願いすることが、事がスムーズに進むので合理的だと思います。通常、売却の手続きは新しい住まいの購入申し込み後に誘導されがちですが、事前に以下のような売却を有利に進めるための条件を交渉しておきましょう。

・最大手の仲介業者を紹介してもらう
・地元の有力業者を紹介してもらう
・仲介業者の支店長クラスを紹介してもらう
・コネで信頼できる担当者を紹介してもらう
・仲介手数料の値引き交渉を依頼する
・売却する物件の付帯サービスを引き出す
(住戸クリーニングなど)

 

媒介(仲介)契約
住まいを売却する際、仲介業者と契約を結ぶことを媒介契約と言いますが、契約には「専属専任」「専任」「一般」の3種類があります。

 

契約の特徴やメリットデメリットの説明については、山ほどある不動産サイトに譲りますが、簡単に言うと、「一般」は、様々な業者に売却を依頼する事ができ、「専任」と「専属専任」は、基本1社の仲介業者としか契約を結ぶことができません。「専任」と「専属専任」の違いは主に2つで、1つは「専属専任」契約をすると、自分で買主を探せなくなる事。2つ目は業者による売主への報告義務の違いで、専属専任は1週間に1度、専任は2週間に1度、報告をしなければいけません。

 

ここはあまり考えずに、売却にたくさん力を注いでくれそうな「専属専任」でよいと思います。よほどのツテでもない限り自分で買主を探すことは難しいと思いますし、自分で探しても手数料は業者に払わなくてはいけません。「一般」は、業者が自分の所で売れるとは限らないため、物件の魅力がなければ、経費をかけて営業に力を入れてくれるか疑問です。

以上を踏まえ、僕の経験上、仲介業者は、「最大手」と「専属専任」契約を結べば間違いないと考えています。

 

条件の頭合わせ
交渉条件を事前に明確にしておき、きちんと伝えておきましょう。条件とは、引き渡し時期、希望売却価格、住戸の状態、他売り出してから売却するにあたって売主が譲れないことです。また、住まいの良さ・ポイントを整理して業者に伝えましょう。長年住んでいる私達には当たり前の事でも業者が理解できない住まいの長所はたくさんあるはずです。以下のように物件の特徴、メリットをまとめておきましょう。

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あとで内覧者への応対でも役立ちます。

 

売り出し価格の設定
営業活動に入る前に大事なのは、適正な売り出し価格です。高く査定してくれる業者が良いとは限りません。私たちから仕事を取るために高い値付けをして巧みに勧誘し、売り出してから「やはり価格を下げて売りやすくしましょう」と提案してくるかもしれません。低すぎる価格設定で、価格訴求だけで広告費や営業努力もかけずにすぐ売り切る回転率重視の業者がいるかもしれません。

 

売却査定額は、最大手、地元密着の有力仲介業者など、最低でも2~3社に査定してもらい、値付けに対して、どんな背景や理由があるのか、よく聞いてください。自分の家については、日ごろから相場観を養っておくことも重要です。

以下、3つの価格を押さえておけば、資金繰りを考える上で安心だと思います。

チャレンジ価格
運よくハマれば高値で
(例4,980万円)
適正価格
2.3ヶ月で売れそうな相場価格
(例:4,600万円)
下限価格
ここまで下げれば売れる価格
(例:4,200万円)
それぞれ3つの価格の差異は、前後5~10%くらいでしょうか。

 

売り出し時期と期間
売り出し時期については、それぞれ生活の都合もありますが、新年度を前にした1月~3月、もしくは秋の需要が旺盛になる8月~10月が売りやすい時期だと考えます。

 

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営業活動で内覧希望を募る

ここは業者に任せるポイントですが、事前に確認していた条件を、HPやsuumo、折り込み広告上で上手にアピールしてくれているか、加えて物件概要、事実関係などを、きちんと確認しておきましょう。1週間に1度の報告(専属専任)もよく目を通して相互フィードバックに役立てます。

 

仲介業者と諸条件を決め、売り出し、マーケティングを駆使してもらって内覧までこぎつけます。土日に来られる方がほとんどですが、土日それぞれ1~2組、つまり土日2日間で2組以上の内覧を目標にします。それ以下の内覧者しか来ない土日が2週続いたら、値付け、アピールポイント、広告媒体のターゲティングエリアなど、仲介業者と再度よく話し合いましょう。

 

内覧応対

仲介業者の営業力により、内覧に来てもらった顧客に対しては、お部屋を気に入ってもらえるために、仲介業者任せにせずに自分達でも努力を要します。

 

まず、当然ながら売り出し期間中のすべての土日は内覧の応対を第一優先にしスケジュールを開けておくことはマストです。機会損失を防ぐ努力は絶対です。

 

どんな人が内覧に来るのか
僕は過去3回、新築で購入したマンションを築10年以内で売却してきました。中古マンションの検索は、築10年以内が60%を占めるそうです。それは、マンションの相場が上がり続けている今、誰もが少しでも安く、新築に近い状態のマンションを購入したいからでしょう。築10年以内の中古マンションを見に来られる人は、きっと新築も見ています。

内覧者は何を見るのか
部屋を見に来る人は「きれいさ」「明るさ」「広さ」「収納」を見に来ます。

「きれいさ」
常日頃から部屋をきれいにしておく必要がありますが、内覧の日の朝は掃除を徹底します。特に目立つのは部屋のクロスと床の汚れや水垢、そして水回りです。クロスの汚れが目立つ箇所はできる限り落としておきましょう。また床の汚れや水垢も目立たないよう床掃除をしておきます。そして肝心なのは、洗面室、浴室、トイレ、キッチンの水回り。清潔感は大事です。トイレや浴槽の淵が黄ばんでたりしたら誰だって気持ちが萎えるはずです。できれば売り出す直前に水回り専門の清掃業者を入れておきましょう。へり、淵などまできれいにしておくことで、だいぶ印象が変わってきます。

「明るさ」
通常はあまり点灯しないような、廊下の一画のダウンライトなど、内覧者の訪問前に全ての照明をつけておきます。またレースのカーテンも全て開けて、少しでも多くの採光を確保して明るい部屋を演出しましょう。

「広さ・収納」
少しでも余裕のある生活を想像してもらえるように、売却活動の前に余計なものを極力捨てて、室内を綺麗にスッキリ見せる努力をしましょう。何気に大事なのは収納です。内覧者は収納の中まで見るのを遠慮するかもしれませんが、収納の容量は誰もが気になる所です。積極的に見せてあげましょう。こちらも事前に余計な物は捨てるかどこかに保管し、収納の中の物量を通常の70%程にした上で整理整頓しておき、内覧者に「実際に生活したら収納はだいぶ余裕を持てそうだな」と思ってもらうことが大切です。

 

内覧者は何を求めているのか
内覧者は、周辺環境やエリアの情報などに詳しく自分達で調べてきている場合もあれば、業者からの紹介で内覧に誘われているだけで、ほとんど物件周辺情報を知らないケースもあります。聞きたいことを山ほど持参している場合もあれば、住まいに関して何が疑問なのかすら理解できていない人もいます。

内覧者に聞かれた際、実際に住んでみないと業者でも知らないようなことをきちんと整理して答えてあげましょう(先程の表を参照)。特に子育て世代は、新しい住まいでの子育て環境に不安を抱いています。保育園や幼稚園の教育方針や口コミ情報は不動産業者でも詳しくないことも多いので、私たちが生活してきた中でママ友から仕入れた保育園や幼稚園の情報を惜しみなく提供してあげると、一気に子育て生活への実感や期待が高まります。

 

他、こちらから積極的にコミュニケーションを取り、内覧者の疑問点を洗い出してあげることも積極的にしてみてください。

新築との差別化をアピール
新築との差別化としての価格訴求に加えて、新築には無い中古ならではのメリットなどを訴求してあげるなど、仲介業者と協力して販売活動に努めていくことが大切です。

中古が新築に勝るものの一例です。
ランニングコストの低さ
管理費、修繕積立金など月々のランニングコストの低さ
設備、仕様の充実度
スロップシンク、ダウンライト、洗面室やトイレがタイル張りなど
間取りの良さ
専有面積の広さ、窓の多さなど
構造
今はコスト高で中々見られない、逆梁アウトフレーム工法によるハイサッシなど
新築では不安なこと
隣や階下の住人の人柄、管理組合が健全に機能しているかなど
他。

 

近年、人件費、資材費の高騰により、建築費、設備費、管理費、修繕費など、マンションにまつわるすべてのコストが年々高騰しているので、新築マンションは細部までコストカットされています。中古マンションは、新築マンションに比べて勝っている事がきっとあるはずです。

 

サービス精神での対応
内覧者は買手、あなたは売主。まさに客人に商品を売るおもてなし精神で良い印象付けをするよう努めましょう。

まず、内覧者の訪問時にはスリッパを用意して出迎えてください。仲介業者は意外とスリッパを忘れてきます。コミュニケーションも仲介業者任せにせずに、疑問に思っている事を遠慮させないように引き出してあげましょう。また、季節によってエアコンを惜しまずにつけ快適な温度を保ちましょう。フレグランスやちょっとした音楽をつけて快適な空間を演出することも忘れずに。できたら新築マンションのモデルルームと同じように、ダイニングテーブルを商談スペースにして、お茶やコーヒーの1つも用意しましょう。内覧の後、じっくり疑問点にこたえ、お部屋のアピールポイントを説明しましょう。

他に注意すべき点

・築10年以内でおよそ綺麗に扱っている場合、リフォームは不要です。給湯器などの設備不良以外は、基本現状渡しになります。
・内覧のために、部屋を綺麗に飾ってくれるサービス業者もいます。
・事前に仲介業者と確認はしているものの、引き渡しのタイミングなど、内覧者に対して、必要に応じて交渉条件を明確に話しておきましょう。

 

申込、契約、諸手続き

価格交渉が肝になってくると思います。他、専門的な諸手続きなど、仲介業者とよく相談して進めていきましょう。

 

最後に

希望価格でスムーズに売却する要因は、何といっても人気のエリア、駅チカ物件に綺麗な状態、適正な価格次第であることは間違いないです。それでも僕は、少しでも希望通りに売却できる確率を上げるために、業者任せにせずに自分達でも「売る」努力をすることがとても大事であると、過去3回の売却活動を経て実感しています