昨年、マンションを購入したが、後悔しているので買い替えたい

単身のマンションを購入したばかりだが、結婚する事になったので買い替えたい

マンションを買い替えたいが、購入したばかりでローンの残債が多く残っている

ローンの残債が多く残っている中での買い替え。1番のハードルは、新たな購入先の住宅ローン審査を通すことです。

なぜハードルが高いかと言えば、すでに多くのローンを抱えている中で、今後借り入れる与信が限られるからです。

例えば、1年前5,000万円で購入し、現在4,900万円残債が残っていますが、新たに6,000万円のマンションに買い替えをしたい。一方、現在の年収から踏まえると、借りられる限度額は7,000万円前後。つまり、今から物件を購入される場合、7,000ー4,900=2,100万円までしか借りることができません。

今、欲しいマンションを決めて申込みしたくても、申込む際には、新築も中古も、住宅ローンの審査を通す必要があります。

では、新しい住まいをどうやって購入し、買い替えればよいでしょうか。

まず、大前提として、居住用の住宅ローンを使用したまま、現住まいを賃貸には出せません(2年前から特に厳しくなりました。※一部の金融機関では、転勤などやむを得ない場合に限って認めてくれることがあるようです)。

買い先行で仮住まいなく買い替え

新しい住まいを先に決めて、現住まいを後から売却する方法です。住み替えする中で、一時的な仮住まいをしなくて良いメリットがあります。

現住宅ローンの残債を見ないで貸してくれる金融機関で審査を通す

後で現住まいを売却すれば、現住宅ローンの残債を見ずに新たに貸し出してくれる金融機関があります。そうすると、現住まいに住み続けながら、今後購入する住まいのローンを通し、新居に移り住んでからゆっくり現住まいを売却に出すことができます。ただし、現住まいの売却額が残債以上になる条件が付きます。売却査定額が残債を下回れば、貯蓄で補填することも可能です。

売却査定額(+貯蓄額) > 残債になるか?

まずは売却査定からですね(関連記事)。

貸し出してくれる金融機関の一例です。

ソニー銀行
売却する住まいの残債が、東京カンテイによる売却査定価格の90%以下であること
融資決済後、6ヶ月以内での売却が条件

◆三菱UFJ銀行
売却査定額が残債の120%以上になること
融資決済後、1年以内での売却が条件

◆三井住友銀行
売却査定価格が残債を上回っている事
融資決済後の売却条件(期間)はなし

◆きらぼし銀行
売却査定額が残債の120%以上になること
融資決済後、6ヶ月以内の売却が条件

(2022年4月現在の情報)

※取引形態やローンを組む人の属性によって条件は異なります。

フラット35も、現ローンを与信に組み入れないため、貸し出してくれそうです。

ただし、Wローンにすれば、タイミングによって、新しいローンが実行されてから、現住まいが売却されるまで二重のローン支払い負担になるデメリットもあります(関連記事)。

売却査定額が残債を下回れば、住み替えローンを利用する

売却金額が残債より下回ってしまう場合は、住み替えローンと言う選択肢も。

例えば、りそな銀行がやっている「りそな住み替えローン」は、買い替えをする際、売却査定額が残債を下回っても、その下回った補填金額を最大1,000万円まで貸してくれます。ただし、「現住まいに3年以上居住し、ローンを返済し続けていること」などの条件があります。

「ARUHI住み替え実現ローン」は、現在所有している住宅(担保物件)の住み替えに必要となる一時的な融資をしてくれます。

まずは自宅の査定してもらい、査定額を現金でARUHIから振り込んでもらいます。この時点では査定だけですから、売却で入ってくる現金をARUHIから前借りすることになります。その現金でローンを返済。その上で、自分で好きな金融機関を選んでローンを借入れ新居を購入。転居が済んでから、実際に元の住まいを売却し、その売却して得られた現金をARUHIに返済する仕組みです。

返済するまでは、金利0.5%(22年6月現在のサービス内容)で借りる形になります。売却額を前借りすることができるため、Wローンの心配が無くなります。売却する際、もし当初の査定額より高く売れた場合は、後ほど差額分も振り込まれるため、およそ相場通りの満足いく売却額で売り切ることができそうです。残債程度で売れれば良いと思いますが、残債より下回る場合は、確保できる与信次第で貯蓄での補填が必要になるでしょう(関連記事)。

現住まいを投資ローンに切り替えて、新居をフラット35で借りる

居住用住宅ローンを借りたまま賃貸に出す事はできないので、いったん、現住まいを投資用ローンに切り替えれば、新たな住まいをフラット35で購入することは可能です(フラット35は、他の借り入れの与信を組み込まないため。ただし、すでにフラット35で借りている場合は不可)。投資用ローンは金利が高くなるため、賃貸に出すにあたって、賃貸収入が月々の返済額、業者に委託する管理費、収入で発生する税金などを上回るかなどを見る必要があります。

以上、もし欲しい物件が見つかって、買い替えを検討し始めたら、まずは、新築デベロッパー、仲介業者に相談することをお薦めします。販売にあたり、他にもオプションを用意しているかもしれません。

売却して与信を戻してから検討する

上記見てきた対応がどうしてもできそうになければ、売却を先行させてから与信額を戻して、新しい住まいを検討し始める他ありません。

そうした場合、分譲中の新築マンションは、申込の際、事前審査が必要ですから、売却できるまで数ヶ月待たなければならなくなります。中古物件は、何ヶ月も待ってはくれませんから、一旦売却してから、あらためて仕切り直しです。

売却するので、当然、一時的な仮住まい(実家や賃帯)が発生し、引越し費用、賃貸にかかる費用(敷金、礼金など)、労力もかかります。

以上になります。

マンションを買い替えたいが、購入したばかりでローンの残債が多く残っている場合。

すぐに買い替えられる準備、つまり、現住まいのローンを抱えたまま新たな審査を通すことができるかがポイント。無理であれば、現住まいを売却し、ローンの残高を戻してから、新しい住まいを再度検討し始めましょう。

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