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リビングダイニング(以下LD)は住まいのの中心的な空間です。10畳のLD空間と聞いて、広いと思いますか?狭いと思いますか?

マンションのLD空間に必要な広さ

一般的な2LDKや3LDKの分譲マンションのLD空間は、どれくらいの広さが必要でしょうか。人それぞれの空間に対する感覚が違いますし、できれば誰だって15畳でも20畳でも広いLDに住みたいと思うはずです。

一般的なファミリータイプ、マンションのLDは、およそ12畳前後として認知されています。

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それは、4人が座れるダイニングテーブルと、2〜3人がけのソファにローテーブル、テレビ台という、最低限のLD空間を楽しむ家具が置ける広さとして、効率的にマンションを供給する多くの事業主都合と合致したからだと思います。

ただし、多くのマンションに見られる一般的な間取りは、上記間取り図、キッチンの横の廊下部分である生活に使えないデッドスペースがLDの12畳に含まれるため、実質のLDに必要な家具を置ける生活有効スペースは、デッドスペース分を除いた最低10畳であると理解しています。

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以下のような間取りのLDであれば、一切のデッドスペースがなく、生活有効スペース10畳を確保していますので、最低限、LD空間に必要な家具は配置できるはずです。

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広い10畳と狭い10畳の見分け方

都内の新築マンションを物色していて、以下のような10畳のLD空間を擁する住戸を見つけました。ちょっとびっくりしました。

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そんなに表面上10畳が欲しいのかと。他の居室の間取りを端折ってますが、この間取りの住戸は10畳のLDと3.2畳のキッチン含む68㎡の3LDK、ファミリータイプの住戸です。先ほどのデッドスペースがない住戸の間取りと合わせて、LDだけ切り取って見比べてみます。両方ほぼ同じ広さの約10畳です。

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どちらが住み心地が良い10畳でしょうか?

LD空間Aは不整形な形であるのに加え、柱型がLD空間に侵食しています。畳数としては10畳を確保していますが、キッチン横の家具などを置けない廊下部分のデッドスペース約2畳分と、室内に食い込んでいる2ヶ所の柱型約1畳分の合計3畳分をLD畳数に含んでいるので(柱型の浸食部分は畳数にカウントされます)、生活有効畳数は約7畳と言えます。一方で、LD空間Bは一切のデッドスペースがなく、柱型も室外に出ているため、生活有効畳数はそのまま10畳になります。その差、3畳分にもなります。

なぜ生活有効畳数10畳を必要とする理由。

ダイニングテーブルと椅子4脚、ソファにローテーブル、テレビ台が置ける空間を不文律としているからだと述べました。以下、実際に家具を置いてみます。

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3LDKのリビングダイニングとして、家族2~4人の団欒をこのLD空間で楽しめるでしょうか。LD空間Aについては、10畳のうち約3畳分の空間を家具の配置や生活に使用できないため、非常に窮屈な空間になりました。出っ張っている柱周りは家具の配置を柔軟にできません。正直、ソファとローテーブルは置けないですね。一方のLD空間Bは、家具も十分に置けて、子供と遊んだり、作業をするような余分なスペースまで生まれている事がわかります。整形の部屋なので使い勝手も良いです。

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余裕もって家具を配置するなら、デッドスペースがない生活有効畳数だけで最低10畳、できれば12畳は欲しい

同じ10畳でも、家具を置いて生活し始めると、これだけ違いますので注意が必要です。まとめると、より良いLD空間を実現するための見極め方としては以下となります。

生活有効畳数は最低限10畳は必要
デッドスペースがないこと
正方形に近い整形の形であること
柱型がLD空間の外にあること

これが20畳など大空間であれば、少しのデッドスペースや柱型の浸食は問題ないのですが、少しでも経済的に住みやすいマンションを購入したい私たち庶民にとっては、10畳における3畳分のデッドスペースは致命的なものであり、マンション検討時に見極めなければならないポイントの一つになります。

10畳を押えた上で、肝心な家具選びについては、以下を押えてください。

合わせて、モデルルームでは、畳数だけで判断しない部屋選びも。

それと、LDの快適性を見る上で「広さ」ともう一つの大切なこと「明るさ」についても、以下の記事で必ずご確認ください。

最後に

マンション間取りの顔とも言えるLDは、1日の大半を過ごすことから、少しでもゆったりできる空間を確保したい住まいの中心的な空間になります。最低限、生活有効畳数10畳、もしくは、+デッドスペースを含めた11畳なのか12畳なのか13畳なのか。もちろん、経済的に許されるのであれば広いに越したことはありません。

マンションデベロッパーは、数字上の広さではわからない実際の住み心地を教えてくれません。何度もマンションを購入して自分で家具を配置してみたり、確かめたりしていないから、営業マン自身わからないのかもしれません。一生モノの買い物です。見た目や数字上で判断せずに、本当に楽しく住める空間なのか、マンション購入を決断する前に、よくよく吟味したいですね。

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