f:id:murakoshi5:20190601220549p:plainマンションを購入するに当たり、資産性の重要性がよく論点になります。しかしながら、一般の人は、「未来まで住むために」マンションを購入するので、資産性と合わせて大事な事は、住まいへの満足度が高い部屋を選ぶことだと考えています。

スポンサーリンク

マンション選び、1番の後悔「暗いリビング」

僕は先日、結婚してから4度目のマンションを購入して引っ越したのですが、特に最初の2回は大きな後悔をしました。その理由は「リビングの広さと明るさ」でした。

マンションにおけるリビングダイニング(以下、LD)は、おそらく誰もが1日の中でたくさんの時間を過ごす場所です。マンション住戸の顔として中心的な存在でもあるので、楽しく明るくゆったり住むために、まず「LDの広さと明るさ」を確保しなければ、マンション選びに後悔するということが、身をもって実感したことです。

マンションの部屋は、およそLDと寝室で設計されているため、デベロッパーは、LD部分の明るさ、広さ、使い勝手に力を入れます。

LDの広さについては、過去に「LDに最低限必要とする広さ」を指南してきました(関連記事)。
www.takenote1101.com

www.takenote1101.com

LDの明るさは、更に一番大事な要素でした。部屋が暗いと気持ちまで暗くなり運気まで下がるような錯覚に陥ります。1日出ずっぱりでマンションには夜しか戻らないので、日中の明るさは必要としないという人も中にはいるでしょう。それでも、やっぱり自分の城です。朝はコーヒーでも飲みながら明るい室内でゆったり過ごしたいです。子供ができれば、一日中大変な子育てをしながら暗い室内では気分まで滅入ってしまうことだってあるでしょう。

僕が購入した2度目のマンションは非常に暗いLD環境で、妻も「日中、家にいるときは、天気が良くても電気を付けないといけないので、すごい嫌だ!」とか「こんな暗い環境じゃ幸せな家族を作れない」と、よく悪態をついていました。日が当たらない秋から春先にかけては特にでした。住戸前が建物が詰まった環境で、窓から空が見えず、更に日陰の時間帯が多かったというのが大きな理由です。f:id:murakoshi5:20190601221048j:plainいまだに夫婦で失敗したマンション選びとして語り継がれています。
ですから、LDの明るさは、住まいの満足度を高めるために誰にだって必要な要素だと考えています。

明るいリビング・ダイニングを実現するための視点

「明るさ」と言っても人それぞれ感じ方はあると思うので、以下に定義してみました。
晴れの日であればレースのカーテンをしていても、曇りの日であればレースのカーテンを開ければ、日中は照明を付けずに違和感なく字を書いたり食事ができる環境
正直、晴れの日に日中室内で照明を付けることに抵抗感がある個人的な価値観もあります。
明るさを実現するために5つの視点が大切です。
1,日当たり
2, 採光
3, 明るい環境の将来性
4, マンション・住戸の構造
5, モデルルームでの注意点
以下、順に見ていきます。

1,日当たり(直接光)

f:id:murakoshi5:20190601221500j:plain明るさを語る上で、まず大事なのは「日当たり」です。太陽からの直接光が室内を照らし出すことに勝る明るさはありません。東南、南、南西向きであれば、1日の中で多くの時間室内を照らしてくれます。南に昇った太陽は角度が高いため、住戸LDの前面に少し高い建物があっても日当たりへの影響は少なくてすみます。一方で、東向きは午前中10時くらいまで、西向きは午後2時以降という限られた時間帯に日が当たります。更に、東、西に太陽がある時は、昇っていく時、沈んでいく時のため南向きより太陽の角度が低く、前面の建物の存在如何で室内への日当たりが影響を受けやすくなるので、南向きよりも住戸前の環境に注意を払う必要があります。明るいLD選びは、南向きの住戸に大きなアドバンテージがあるといえますね。以上は、僕の経験を元にした首都圏のおよその目安で、国内における場所によって、また季節によっても大きく変わります(関連記事。
www.takenote1101.com

2,採光(間接光)

日当たりと同じくらい大事なのは「採光」です。極端な話、北向きで日当たりが無くても、間接光によって室内は十分に明るさを確保できます。間接光とは、太陽が照らしている空、地面、建物などの照り返し、自然光が、室内に入り込んでくることです。
採光の良さを測る上で大切なことは、何といっても住戸(LD)前面の環境です。
一つは、住戸前に建物などの存在が無く一面抜けた環境で、空が窓一面に映し出されていることf:id:murakoshi5:20190601222744j:plainもう一つは、マンション、住戸前が日陰にならず、太陽に照らされた前面の土地や建物が窓一面に映り込んでくることです。f:id:murakoshi5:20190601222505j:plainそのためには、住戸前面に自宅住戸より高い建物が無く、抜け感があって空が見渡せる、もしくは高い建物に囲まれておらず日陰にならないことが重要なのですが、前面に高い建物が存在していても、数十メートル(理想は100m、最低でも30~40m)以上距離があれば、窓に空が占める割合が増え、前面の環境が日陰になる事も少なくなります。
すこしばかり例を。
以下のような環境f:id:murakoshi5:20190601221951j:plainLDから見た前面、近隣にLD部分よりも高い建物の存在があるため、一部、明るい空が窓に映し出されないこと、住戸下部が日陰になりやすいことで明るさが制限されてしまうLD環境といえます。このような場合、前面の建物と同じくらいか、せめてワンフロア分下くらいの環境は欲しいところです。
もう一つ。f:id:murakoshi5:20190601222013j:plain住戸右側をマンション建物が被ってしまっていて日陰になりやすいので、住戸まで採光が入りにくい時間が多くなります。
もう一つf:id:murakoshi5:20190601222133j:plainバルコニー前面が、幅が狭い道路を挟んで住宅と面しているため、日陰になっています。1階、2階住戸は暗めの住空間になっていそうです。
一方で以下のような環境f:id:murakoshi5:20190601222209j:plain前面に高い建物の存在がありますが、こちらからは数十メートル以上離れているため、青空からの自然光や、前面の地面を太陽が照らすのに十分なスペースがあり、日陰になりにくい恵まれた環境と言えます。
北向きが意外と明るいのは、南に昇っている太陽が、住戸北側の土地や建物を照らしていて、その反射した照り返しが北側の窓から室内に注いでくるからです。f:id:murakoshi5:20190601222251j:plainですから日当たりを考えずに採光だけ求めるのであれば、滅多にありませんが、北向きの住戸は基本的には人気が無く価格設定が安いので穴といえます。

3,将来性を見る

現在は住環境が良くても、将来に渡りその条件を維持できるか、都市計画法で定められている「用途地域」を確認します。マンションの物件概要には必ず用途地域の記載がありますし、エリアの用途地域は行政のホームページに記載されていて、誰でも該当エリアの用途地域を見ることができます。
以下例にとって見てみます。f:id:murakoshi5:20190601222414j:plain現在、マンションAは南側が開放的な環境だとしても、用途地域が「近隣商用地域」であるため、将来的に商業施設や大きなビルが建ち、日当たりや眺望が遮られてしまう可能性をはらんでいます。マンションBは、南側「第一種低層住居専用地域」の土地において、高い建物や商業施設を建てることができないため、将来的にも南向きの眺望や日当たりは保証されると言えます。マンションCは、更に四方が「第一種低層住居専用地域」なので、喧騒になるような商業施設や眺望、日当たりを遮る高いビルが周辺に建つ可能性が将来的にゼロに近い、恵まれた住環境を保てる立地と言えます(行政によっては住居専用地域でも届け出制で小売店を建てられたり、付随して「建物高さ制限」が設けられていたり対応が異なりますので確認が必要です)。
次に、法律上だけでなく実際に周辺の土地がどのように活用されているかを見ます。住戸前面の土地が、神社、墓地、公立の公園、河川などの場合は、住環境が半永久的に確保されます。将来的にそれらの土地活用が変わる可能性が低いからです。f:id:murakoshi5:20190601230455j:plainまた戸建てが立ち並ぶ細切れで入りくんだ低層の住宅地も同様です。よほどの再開発でも入らない限り、短い期間において何十世帯もが一斉に土地を開けることは考えづらいからです。
一方で、古い大型商業施設、アパートや工場、民間の駐車場などに、まとまった土地が活用されている場合、将来的に高いビルやマンションに代わってしまうことで良好な住環境が破壊されてしまう可能性を秘めています。f:id:murakoshi5:20190601222541j:plain周辺の土地活用については、よく確認しておきたいポイントです。

4,マンション・住戸の構造

上記、周辺環境の明るさを室内で引き立ててくれるのは、マンションの構造や住戸の特徴です。

住戸位置・向き
ここで言いたいことは、南向きにこだわりすぎないということ、上記記載の通り、東、西向きでも採光を十分に取れば明るい住戸を選べます。更に南向き住戸は相対的に価格設定が高いため、南向きと同等の価格で、LDに2面の窓を設けた開放的な明るい角住戸を選ぶ事もできます。f:id:murakoshi5:20190601222925j:plain

間取り
周辺環境が良くても室内まで光がしっかり入り込めるかどうかを見ます。マンションの間取りに多い、一般的な「田の字型」プランですが、大きくは縦長リビング(画像左)と、横長のワイドリビング(画像右)があります。

f:id:murakoshi5:20190522010115j:plain

横長リビングを選べば、窓枠の幅が広いサッシが採用されることで明るいLDになりやすく、更に窓際にリビングとダイニングスペースを充てることができるので、生活する上で明るい環境が約束されます。
一方の縦長リビングは、幅より奥行きがあるLD空間のためサッシ幅は狭く、リビング部分であるソファは窓際に配置できますが、ダイニングテーブルはキッチンと隣接する住戸奥側になります。特に縦長リビングで、LDが13畳、14畳と広くひろくなれば、その分奥にLDが広がることを意味しますので、ダイニングに使用するスペースは更に暗くなります。

開口部
LD部分における窓の高さ、窓の幅の広さでLDの明るさが左右されます。
以下は通常のサッシ高。2メートル前後が一般的です。f:id:murakoshi5:20190601223103j:plain以下は、ハイサッシ。マンションでは2メートル10センチ以上をハイサッシと言われているようです。f:id:murakoshi5:20190601223128p:plainマンションのコストカットが進む中、ハイサッシの採用は以前よりも少なくなってきています。
窓の幅ですが、横長リビングの間取りについては、一連幅広の窓が採用されるケースが多いので、明るい開口部となりやすいのですが、縦長リビングの場合は、開口部が狭くなります。f:id:murakoshi5:20190522010202j:plainそこで、縦長リビングの間取り住戸で最近よく見られるのが、LDと隣の洋室の窓と半一体化した「連窓サッシ」です。縦長リビングは、隣の洋室と空間を一体化できるよう可動式間仕切りやウォールドアで仕切られているケースが多いのですが、その場合、間仕切りを開けた際、連窓サッシは、横長リビングの幅広の窓と同様に一つのつながりのように見えるため、開放感があり高い採光を望めます。
以下は縦長リビングにおける一般的なLD窓と隣の洋室の窓、f:id:murakoshi5:20190601223322j:plain以下は連窓サッシです。f:id:murakoshi5:20190601223356p:plain間仕切りを閉めれば、LDと洋室それぞれ独立した窓となります。f:id:murakoshi5:20190601223429p:plain

ベランダの仕様
奥行きが結構大事です。奥行きが無ければ、庇(ひさし)部分の奥行きも同様に無くなるため、採光が良くなります。ただし奥行きが無さ過ぎるとバルコニーとしての使い勝手も制限されてしまいますので、現代の分譲マンションの一般的なバルコニーの奥行き2メートルないし1.8メートルが良いと思います。希に奥行き「2.5メートル!3メートル!のバルコニー」を売りにしているマンションを見かけますが、奥行きが出る分、部屋の中まで日当たり、採光が届かなくなるのでお勧めしません。
バルコニーの手すりパネルについては、クリアガラス、曇りガラス、コンクリートなどがあり、できればクリアガラスが明るいとは思うのですが、経験上影響は少なく、自分でパネルまで選べる物でも無いため、さほど気にする必要は無いと思います。f:id:murakoshi5:20190601223511p:plain

f:id:murakoshi5:20190601223548j:plainただし、モデルルームで選ぶ視点では後ほど触れます。

5,モデルルームで選ぶ視点

大規模大手の新築など、マンション竣工前にモデルルームで青田買いをする際は、実際の部屋の明るさを体験できません。当然、営業マンに聞きながら条件が良い住戸を選ぶわけですが、住戸が左右、上下に一つずれるだけで、LD前面に建物がかぶるなど住環境は大きく変わります。まず「明るさを最重要視します!」と営業マンに伝えた上で、現地の周辺環境を注意深く訪ね、モデルルームのマンションランドスケープ模型を元に隣接している建物の位置、周辺環境などを見渡してしっかりチェックします。f:id:murakoshi5:20190601223642j:plain更に自分の足で何度も現地に足を運んで、A,B,C~~タイプ、2階、3階、4階~~と、周辺建物に登って見渡すなど、住戸の位置による住環境をよく観察しましょう。マンションによっては、建設中の幕に、階数や住戸タイプの位置を親切に表示してくれている場合もあります。f:id:murakoshi5:20190601223743j:plain営業マンと現地を同行する際、合わせてしっかり確認することです。
最後に価格表と相談の上、より明るい環境の住戸を想定し決定するという流れになります。人気のマンション、住戸は土日でどんどん申し込みが入るケースもあるので、上記をスピード感もって行う事も必須です。

価格について、以下の例をとって少し深掘りしてみます。f:id:murakoshi5:20190601223814j:plainFタイプの7階が、5,130万円
Fタイプの9階が、5,340万円
Fタイプの10階が、5,390万円
Fタイプの11階が、5,440万円

9階より上は、50万円のピッチ幅にもかかわらず7階と9階の差が210万円あります。そこで8階の住戸の価格を推測してみると、例えば、9階より50万円安いとして5,290万円。つまり、7階と8階の価格差が160万もあることになります。もしそれが事実であれば、7階と8階の住環境に大きな違いがあるかもしれません。例えば目の前に7階建ての建物が建っていて、7階までは眺望が目の前の建物に遮られているなど。住戸ごとの価格設定は、デベロッパーが周辺環境などを考慮して設定しているので、営業マンにしっかり質問しましょう。

価格設定から住戸を選んで住環境の悪い住戸を選ばないようにしたいです。上記の例では、9階でも11階でもそこはどちらでも良いと思うのですが、7階と9階では大きな住環境の違いが推測できます。実際、条件面で特筆すべき異なる点が確認できたら、安い住戸を選ばないようにしましょう。決定的な住環境の違いがあるにもかかわらず「数百万も差があるから安い方で」は禁物です。住宅ローンの支払い1ヶ月1万円以内の差で安い方を選んで後悔することは絶対に避けなければなりません。迷ったら価格が高い方の住戸を選ぶ事は鉄則です。

最後に細かいことですが、バルコニーパネルについてです。竣工前だと確認できないことが多いのですが、住戸位置によってパネル形状が異なる場合があります。f:id:murakoshi5:20190601223859j:plain同じマンション内でも、低層階が周辺からの目隠しのため光を通さないコンクリートで、中階層以上がクリアパネルだったりするケースが多いです。選べるのであれば、当然上層階を選びたいですね。また、外観デザイン上、バルコニーパネルが隣同士の住戸でも異なる場合もあります。営業マンはそんな細かいことまで指南してくれませんので、事前にこちらから確認しておきましょう。クリアガラス→曇りガラス→コンクリートの順で選びたいところですが、クリアガラスと曇りガラスでは眺望の差はあっても、経験上明るさではほとんど変わらないと思います。

以上になります。
まずは、マンションのLD環境を明るくする上で、南向きの日当たり環境、日当たりが無くても間接光が室内に降り注ぐ採光の良い環境か吟味します。その上で、その住環境が将来的にも約束されたものかも確認しなければなりません。周辺環境の明るさを室内の住環境に活かせるかは、マンション、住戸の設計に関わってきますので住戸選びも慎重に。最後に、新築分譲マンションをモデルルームで検討購入する場合の注意点を幾つか挙げてみました。
明るい住戸、特に明るいLDの住戸を選ぶことは、購入したマンションに末永く楽しく明るくゆったり暮らすためのマンション選びの大切なポイントです!