北千住に続けと、元気な足立区エリア。東武スカイツリーライン沿線、北千住以北は、特に東京イーストエリアや沿線に力を入れているデベロッパーの存在が目立ちます。先日、その一つ、アーデルブランドの新築分譲マンションのモデルルームを訪問しました。

物件概要

アーデルグラード梅島
東京都足立区梅田5
東武スカイツリーライン
「梅島」駅徒歩7分「西新井」駅徒歩15分
9階65戸
駐車場:22台
駐輪場:130台
用途地域・地区:工業地域・準防火地域・新たな防火規制区域・第3種高度地区・西新井駅西口周辺地区防災街区整備地区計画
分譲:フォーユー
施工:新三平建設
管理委託会社:三菱地所コミュニティ
竣工予定:2019年8月
(2019年6月18日現在)

周辺環境

梅島は初めて降りたのですが、老若男女、子連れ、労働者と、とても元気な街で、乗降客数も多そうでした。

それもそのはずで、梅島は足立区役所の最寄り駅だったんですね。物件からも足立区役所へは徒歩圏内で、様々な手続きで便利に利用できそうです。また、駅周辺の商店街も賑わっていて、駅近に住むメリットを享受できます。何より駅の南側は、大型商業施設の「アリオ西新井」や、ショッピングタウン「カリブ」も近く、平日も休日も、楽しく便利に生活をすることができそうな環境です。

マンション周辺の住環境は、西新井にかけた無電柱化や、道路が新しく整備されている区画が多く、正直、同じ梅島駅徒歩圏内でも、都心寄りの五反野方面より生活しやすい街並みだと感じました。梅島は各駅停車しか止まりませんが、都合によっては、急行停車駅の西新井まで乗車してマンションまで歩いて帰宅するなど柔軟に移動できるのも良いですね。

子供ができたら暮らしやすい街でしょうか。

既述のように、徒歩圏内に「アリオ西新井」があるため、子育てには、買い物、平日、休日の過ごし方など強い味方になってくれます。小・中学校までは大通りを渡らず、それぞれ7分、6分と、特に小学校までは住宅地を歩く比較的安全な通学経路だと思いました。近隣に、公共の児童館、図書館、病院なども点在し、子育て環境としては整っているため安心して生活できると思います。一つだけ、マンション前の道路の歩道が狭いため、子連れでの移動、子供が小さいときの生活には、車通りには気をつけたいところではあります。

住空間

良い点、気になった点、それぞれあります。ここは、中小デベロッパーの良さと弱点の両方が表れている気がしますね。

外観・共用施設

(出典:物件公式資料)

マンションデザインは、大手や大規模ではなかなか無い凝った意匠です。ペットの足洗い場、24時間ゴミ捨て、宅配ボックス、防災倉庫と、最低限の共用サービスはありますが、トレンドのような共用施設はありません。しかしながら、Iタイプ、70.05㎡住戸で、月々の管理費がインターネット使用料込みで11,194円と、首都圏平均より5,000円以上抑えられています。住戸内で利用できるインターネット代実質5,000円ほどが込みなので、これは非常にありがたいですよね。管理体制は三菱地所コミュニティが請け負っている点はとても安心できると思いました。最大手「パークハウス」のマンションと、一部同等のサービスを受けられる点もポイントが高いです。有名家具ブランドの優待サービスや、娯楽施設の割引プランなど、僕も三井のマンションに住んでいた時は、とても重宝しました。詳しくはモデルルームで確認してみてください。

間取り・住戸設計

(出典:物件公式資料)

共用廊下側の柱が、完璧にではないにしろ室外に出ている住戸が多く、洋室の使い勝手は良さそうです。また、柱が廊下側に出ていることで、アルコープ面積を確保している点がプライバシー性に配慮していて良いですね。「家」を語る上で、ここは大きなポイントだと思います。また、主寝室以外の洋室は、角住戸が多いことと、共用廊下側の部屋が建物に大きく被っていない住戸が多いので、比較的明るめの環境だと思います。一方で共用階段に面している住戸は少し気になりました。特に低層階では、階段を降りてくる足音や人の気配が気になると思います。間取りは一般的な田の字型ですが、68㎡の中住戸でもLDが13畳(廊下部分を除くとLD生活使用畳数は実質11.5畳前後)を確保していたり、収納も十分だと思いました。

(出典:物件資料)
(出典:物件公式資料)

一方で残念なところも何点かあります。LDと隣の洋室との可動式間仕切りが無い住戸が多い、LD窓の高さが180~190と一般的なマンションよりも低め、横長リビングのLDの住戸は住戸中央に壁を設けて窓を断絶している、LDの天井部分に思い切り梁が通過している住戸が多い、などです。バルコニーについては、大きめのスロップシンクが装備されているのは良かった点。ガーデニングや子育てなど日々のライフスタイルの向上に役立ちます。ただし、隣住戸との敷居板が低めのものであること、奥行きが1.5m前後、最大でも1.8mと少し手狭であるところは気になりました。

設備・仕様

設備や仕様面については、新しいマンションの良さが光っています。特にセキュリティ面は、ハンズフリーキーに、住人の鍵をかざさないとエレベータのボタン操作ができないといった部分は羨ましい限りで、最新マンションならではの防犯性が際立ちます。IOT導入マンションとして、対応家電などを購入すれば、一歩上の便利な生活を送ることができそうです。また、コスト負担が大きい複層(Low-E)ガラスの採用は、室内の温度低下や上昇、家具の日焼けを抑える事に役立ちます。なにげに親切だと思ったのは、LDにピクチャーレールが設置されていることです。数万円のコスト負担ですが、気が利いているなと思いました。「絵でも飾ってみようかな」と生活を彩ってくれると思います。食洗機は標準装備されていますが、ディスポーザーは装備されていません。これは小規模マンションなので仕方ないと思います。残念なところは、共用廊下側の窓が目隠し可動ルーバー格子でなく、窓に格子が装着されているだけのところ。トイレに手洗いカウンターが無く、手洗い一体型トイレであることも「家」の格としては安っぽく感じてしまうんですよね。

全体的には、住人にとって便利で楽しく生活できる設備はしっかり考えられていて、肝心な部分でコストカットされているところが少なく良心的だと思いました。

このマンションは買いか?

このマンションは買いでしょうか?
結論から言えば、近隣の優良中古物件も見た上で、新築にこだわりがある人であれば、オススメできると考えます。

近隣の中古物件

駅からマンションまでの道のりに、大規模優良物件が2件あります。「リライズガーデン西新井」と「ライオンズ オーチャードガーデン」です。加えて、五反野寄りではありますが、同じく駅徒歩7分に「プラウドシティ梅島」があります。この3件はいずれも大手の大規模物件で、小規模マンションのアーデルグラード梅島とは違う良さがあります。

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特に、リライズ(駅徒歩2分)とライオンズ(駅徒歩5分)は、駅から同経路で、アーデルグラードよりも駅近なので、必ずどこか売出中の部屋を見ておいた方が良いです。詳しくはここでは書きませんが、2つの物件とも、この界隈を代表するマンションだと思います。

以下、現在の売出状況です(2019年6月18日現在)。

ライオンズ オーチャードガーデン
梅島駅徒歩5分
築2011年
東向き、3階、61.32㎡、3,680万円
東向き、8階、70.14㎡、4,580万円

リライズガーデン西新井スカイレジデンス
梅島駅徒歩2分
築2009年
南西向き、18階、77.01㎡、4,380万円
南東向き、4階、72.57㎡、3,980万円

プラウドシティ梅島
梅島駅徒歩7分
築2005年
東向き、4階、73.8㎡、3,480万円
東向き、8階、75.15㎡、3,980万円

価格や築年数などを見ながら、アーデルグラードを購入したら、およそ何年後にどれくらいの価値を維持できるかも参考にしてみてください。

新築を選ぶメリット

一方で、新築を選ぶメリットは何でしょうか。まず当たり前の大きな大前提ですが、部屋が未使用で綺麗であること、特にトイレや浴室などの水回りは、個人的にも中古物件は抵抗があります。もちろんリフォームという選択肢もありますが、未使用の新築が絶対に良い!という人も多いでしょう。

次に設備ですね。すでに述べたように、アーデルグラードは、最新のIOT対応やセキュリティシステム、インターネット対応で管理費が安いなどのメリットがあります。

また、経験上、新築で入居すると、ライフサイクルが近い住人家族が多いので、子供ができて、マンション内で同じ幼稚園に通う友達ができたりといったコミュニティ形成にも、新築は一利ありそうな気がしています。

どの住戸を選ぶべきか

では、このマンションを検討するに当たり、どの住戸が良さそうでしょうか。
現在、売り出している住戸が以下です。
あらためて配置図を。

南向き
F 、6階、67.71㎡、4,798万円(@234万円)
Fg、1階、67.71㎡、4,098万円(@200万円)
Gg、1階、68.75㎡、4,238万円(@203万円)

南西角
G2、5階、68.75㎡、4,948万円(@237万円)

東向き
E 、3階、65.84㎡、4,098万円(@205万円)

東南角
I 、3階、70.05㎡、4,428万円(208万円)

東北角
H 、5階、69.04㎡、4,468万円(@214万円)
Er 、9階、65.84㎡、4,858万円(@244万円)


(2019年6月現在)
(@=坪単価、1坪=3.305㎡で計算)

東武スカイツリーライン沿線は、高架を通る車内から見ればわかるのですが、墨田区の曳舟、向島界隈や、足立区に入って北千住界隈といった高層の建物が並ぶエリアから、荒川を渡って北に下っていくと、低層の街並みが埼玉県まで続いています。このマンションは、売りにもしている荒川までの眺望を望めるような低層住宅地のエリアに属していますので、一般的な戸建ての高さである3階の上空を抜ける4階以上の住戸であれば、戸建てに無い強みとなります。4階以上で南向きともなると、上記4,798万円、4,948万円(坪単価240万円前後)と結構高いなと思うかも知れませんが、マンション価格が高騰している2019年6月現在においては、都内23区、駅近と言われる徒歩7分なので、こんな物ではないでしょうか。

以上を踏まえた上で、売出中の住戸では、以下3つの住戸をオススメしたいと思います。

まず、モデルルームにもなっている、G2タイプです。
南西角5階、68.75㎡、4,948万円

(出典:物件資料)

予算的に余裕があって、将来的なリセールバリューを気にしなければ、生活満足度が1番高い住戸だと思います。角住戸で全ての部屋が明るく、南側、西側ともに抜けているので、日中多くの時間帯で日当たりが望める優れた住環境になります。このマンションの売りである荒川方面の眺望も期待でき、夏の花火もしっかり拝めるでしょう。

次に、Fタイプ。
6階、67.71㎡、4,798万円

(出典:物件公式資料)

南向きの中住戸です。G2タイプに比べて住環境は劣りますが、G2より一つ高い6階なので、眺望の良さが期待できます。

最後にHタイプ
5階、69.04㎡、4,498万円

(出典:物件公式資料)

角住戸の5階で全ての部屋が明るい環境になります。道路沿いなので、若干の騒音と、道路向こうにマンションが建っているので日当たりは制限されると思いますが、価格とのバランスが良いと思いました。南西角と比べて500万円近く安いので、リセール的にも維持率は高そうです。

他には、前面に公園敷地を設けた西向き住戸が、明るく閑静な住環境と価格のバランスが良さそうだなと思いましたが、すでに販売終了と言うことでした。駅近の新築優先で、住環境を犠牲にすることも厭わなければ、上記の売出住戸の中から予算に応じて選べば良いと思います。

最後に

初めてマンションを検討する人であれば、あまり聞いたことが無いデベロッパー、マンション名だと思いますが、しっかり誠実に造られている印象を受けました。このエリアで駅近の新築マンションを探している人は、ぜひモデルルームに足を運んで自分の目で確かめてもらいたいと思います。

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