
(26年4月に撮り直しました)
両国エリアで私が好きなマンション。「イニシア両国」を紹介します!
物件概要
イニシア両国
東京都墨田区石原2
都営大江戸線「両国」駅徒歩8分
JR総武線「両国」駅徒歩14分
用途地域:商業地域・準工業地域
総戸数:12階建て45戸
専有面積:56.12㎡~64.63㎡
分譲:コスモスイニシア
施工:佐藤工業
管理会社:大和ライフネクスト
築年月:2012年2月
住棟は南向きと北向きの構成。


ファミリータイプとしては、70㎡ 3LDKが一般的な目安とされますが、本物件は50㎡台~60㎡台の3LDKが中心。その中で私が特に注目した64.63㎡のCタイプ。この間取りの良さを紹介します。

徹底した空間効率を実現した要点は以下の3点。
1、 LDが死角なしの整形空間
2、 全居室が死角なしの整形空間
3、 死角を作らない全扉引き戸設定
以下はどこでも見る一般的な間取りタイプの一つです。

一般的な間取りは、LD畳数に、だいたいキッチン横の廊下のようなデッドスペース(物件によって異なるが2畳弱前後)まで含まれてしまいます(下図左)。
一方、本物件の間取り(右)は、キッチンをLDと分離したクローズドキッチンを採用したため、デッドスペースのない正方形に近い整形なLD空間になっています。
つまり、上記の2つの間取り、12.0畳と10.1畳では、生活に利用できる空間はほぼ同様の広さであると言えます。ちなみにファミリータイプ物件のLD空間は、ダイニングテーブルと4つのチェア、ソファを置くために最低でも10~11畳は欲しいので、本物件の64㎡台の間取りはその目安の10畳を限られた空間で達成していることになります。左の70㎡の間取りはLD12畳表記ですが、実質生活スペースは1.5~2畳くらい削られます。畳数で部屋の広さを測らないようにしましょう(参考記事)。
各居室について。一般的な間取りの寝室(他、洋室)は、室内にマンションを支える柱が侵食している場合が少なくありません。
一方、本物件は、柱に加えてクローゼットなども部屋に侵食せず、3部屋全てにおいてベッドや家具などを配置しやすい、整形された使い勝手が良い部屋の形を実現しています。柱が侵食している部屋は、部屋の使い勝手が悪いだけではありません。柱の分まで部屋の畳数に数えられてしまうので、5~10%程度、実際の有効畳数が目減りします。ここでも数字上で部屋の広さや使い勝手を判断しないようによく吟味したいところです。
以上、64㎡の間取りは、LDで約1.8畳、寝室で0.5畳、計2.3畳、つまり換算すると3.8㎡分、一般的な70㎡の住戸と比較して生活空間スペースに多くの面積を充てられています。つまり生活有効面積だと、3.8㎡分差が縮まると言えます。更に、LD含めたすべての居室が整形な形という、家具の配置などの部屋内部の使い勝手、住みやすさなど、数字では測れない生活価値が高い効率空間になっている事も、実質的な生活有効面積㎡数の差を縮めているといえます。
次に扉の仕様について。一般的な住戸の設定はドアノブが付いた開き扉が多いのですが、当物件は、LD、3つの居室すべての扉が引き戸設定になっています。
本来開き戸で生じるはずのドア軌跡分のデッドスペースを、引き戸にして消すことで、作業をするスペースや、家具を配置するバリエーションが増えたりと、空間の使い勝手を更に良くしています。限られたスペースだからこその考えられた仕様だと思います。
以上、主に3つの視点が、専有面積を越えて効率的生活空間を創り出せる理由です。また、LDと隣の洋室を可動式ウォールドアで仕切っているため、家族人数の変遷に応じて、大型2LDKとしても利用できる柔軟設計の良さもあります。
効率的な生活空間を実現できた理由。
ひとつは住戸開口部に対するワイドスパンの設計です。間取り図を見ると、LD含めた居室がバルコニー側に3部屋並んでいます。これは、8mほどのワイドスパンでないとできません。このワイドスパンが、キッチンをあえて別部屋に分離させる配置を可能にし、またクローゼットなども居室外に上手く収まることに一役買っています。要は、住戸空間が縦長から正方形に近づくほど廊下など死角を少なくし、利便性の高い部屋や設備の設計ができます。
もう一つは、住戸を支える4隅柱型のアウトポール設計です。すべての柱を居室外に追いやり、居住者にとっての限られた専有面積を有効に使うことで、利便性の高い間取り設計を可能にしました。
では、通常のマンションでこれが中々できないのは、何故でしょうか。
大きな理由は、収益拡大を目指した事業主都合です。極端な話、住戸のスパンに関しては、土地の幅が24mあった時に、通常の6mスパンだと4戸できます。それが8mスパンだと3戸しかできません。柱型の設計についても、柱を住戸内に侵食させ、居住性を犠牲にすることは、建物の共用廊下部分を削れるなど、事業主にとって効率的事業を支える空間になります。
最後に、本物件のデメリット。
まず環境面。南向きは、隣接している片側2車線、「蔵前橋通り」の環境と前建ての存在。バスも頻繁に往来し、かなりの騒音があります。それと、道路を挟んでマンションが建っています。離隔が十分とれているため日当たりは低層階からでも比較的良好ですが、眺望は最上階くらいでないと抜けてきません。一方で北向きは静かな環境ですが、日当たりは限られるでしょう。
それと、間取りが全3LDKではあるものの、50㎡台~60㎡台のため、家族4人だと、かなり手狭になることを覚悟しておきましょう。64㎡のCタイプも「あそび」の空間が少なく、家族3人がジャストフィットだと思います。
(以下、26年5月追記)
26年4月、実際にマンションを訪問する機会があり、記事内、文章の一部を修正、画像の一部を差し替えました。


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