前回、住み替えにおける売買活動の進め方についてまとめました(参考記事:4回目のマンション購入記③ マンションを住み替えるための問題点)。その中でも売却活動は、住み替えの際の資金計画を確定する要素にもなるので大変重要です。少しでも高くスムーズに売却するために、売主として、どんな努力をすればよいのでしょうか。

マンションの売り方・売れるまでの流れ

売却活動の流れを以下に記しました。


①仲介業者を決める
↓  ↓
②営業活動で内覧希望を募る
↓  ↓
③内覧応対する
↓  ↓
④申込・契約・諸手続き

以下で項目ごとに詳しく見ていきます。

マンションを売るための仲介業者を決める

折り込み広告作成、HPへの掲載、顧客紹介などの営業活動、専門知識を要する契約、諸手続きなどは、高い手数料(売却価格の3%+α)を支払って仲介業者にお願いするわけですが、業者選びは私たちの仕事です。まずここが大事です!

仲介業者の選定


内覧までこぎつける広告媒体などのノウハウ、営業人材、確かな手続きの知識やスピード対応、安心、ネットワーク、信用のブランドなどを踏まえて、まずは最大手の仲介業者をお勧めします。ノムコム(野村不動産アーバンネット)、三井のリハウス(三井不動産リアルティ)、住友不動産販売、東急リバブルなどが仲介では最大手です。

僕もノムコム、三井、住友を売却で利用させていただきましたが、中小の仲介と比較して、一言で言うと「頼りになる」と思いました。中でも人材面が一番大きく、営業担当のコミュニケーション力、営業力と、特に対応が足りないなと感じた時の上層部、支店長クラスなどのフォローがさすがでした。それと、戸建て専門や中小の仲介で、急かされたり、こちらの本意で無いことを要求されたりと、少し痛い思いをしていた僕にとっては、時勢柄、コンプライアンス(法の遵守)や顧客重視の姿勢なども安心できました。次回も相談に乗ってくれる信頼を築くことができたと思っています。大手のうち2社くらいは査定を依頼してみましょう。自分の住んでいるマンションブランドと同系列なら尚更良いですね。

ノムコム
公式サイト
https://www.nomu.com/seller/

三井のリハウス
公式サイト
https://www.rehouse.co.jp/sell/

住友不動産販売
公式サイト
https://www.stepon.co.jp/uri/

また、住み替えのケースでは、購入先の新築マンションデベロッパー(の子会社)などに売却活動も合わせてお願いすることが、事がスムーズに進むので合理的だと思います。通常、売却の手続きは新しい住まいの購入申し込み後に誘導されがちですが、事前に以下のような売却を有利に進めるための条件を交渉しておきましょう。

・最大手の仲介業者を紹介してもらう
・地元の有力業者を紹介してもらう
・仲介業者の支店長クラスを紹介してもらう
・コネで信頼できる担当者を紹介してもらう
・仲介手数料の値引き交渉を依頼する
・売却する物件の付帯サービスを引き出す
(住戸クリーニングなど)

媒介(仲介)契約


仲介業者と契約を結ぶことを媒介契約と言いますが、契約には「専属専任」「専任」「一般」の3種類があります。

契約の特徴やメリットデメリットの説明については、山ほどある不動産サイトに譲りますが、簡単に言うと「一般」は、様々な業者に売却を依頼する事ができ、「専任」と「専属専任」は、基本1社の仲介業者としか契約を結ぶことができません。「専任」と「専属専任」の違いは主に2つで、1つは「専属専任」契約をすると、自分で買主を探せなくなる事。2つ目は業者による売主への報告義務の違いで、専属専任は1週間に1度、専任は2週間に1度、報告をしなければいけない事です。

ここはあまり考えずに、売却にたくさん力を注いでくれそうな「専属専任」でよいと思います。よほどのツテでもない限り自分で買主を探すことは難しいと思いますし、自分で探しても手数料は業者に払わなくてはいけません。「一般」は、業者が自分の所で売れるとは限らないため、物件の魅力がなければ、経費をかけて営業に力を入れてくれるか疑問です。

以上を踏まえ、僕の経験上、仲介業者は、「最大手」と「専属専任」契約を結べば間違いないと考えています。

条件の頭合わせ


交渉条件を事前に明確にしておき、きちんと伝えておきましょう。条件とは、引き渡し時期、希望売却価格、住戸の状態、他売り出してから売却するにあたって売主が譲れないことです。また、住まいの良さ・ポイントを整理して業者に伝えましょう。長年住んでいる私達には当たり前の事でも業者が理解できない住まいの長所はたくさんあるはずです。以下のように物件の特徴、メリットをまとめておきましょう。

あとで内覧者への応対でも役立ちます。

売り出し価格の設定
営業活動に入る前に大事なのは、適正な売り出し価格です。高く査定してくれる業者が良いとは限りません。私たちから仕事を取るために高い値付けをして巧みに勧誘し、売り出してから「やはり価格を下げて売りやすくしましょう」と提案してくるかもしれません。低すぎる価格設定で、価格訴求だけで広告費や営業努力もかけずにすぐ売り切る回転率重視の業者がいるかもしれません。

売却査定額は、先ほどの最大手、地元密着の有力仲介業者など、最低でも2~3社に査定してもらい、値付けに対して、どんな背景や理由があるのか、よく聞いてください。自分の家については、日ごろから相場観を養っておくことも重要です。

以下、3つの価格を押さえておけば、資金繰りを考える上で安心だと思います。

チャレンジ価格
運よくハマれば高値で
(例:4,980万円)
適正価格
2.3ヶ月で売れそうな相場価格
(例:4,600万円)
下限価格
ここまで下げれば売れる価格
(例:4,200万円)
それぞれ3つの価格の差異は、前後5~10%くらいでしょうか。

売り出し時期と期間
売り出し時期については、それぞれ売主の都合もあってこそなわけですが、コントロールできるのであれば、新年度を前にした1月~3月、もしくは秋の需要が旺盛になる8月~10月が売りやすい時期だと考えます。

仲介業者との契約期間は3ヶ月が原則となっています。もちろん、それで売れなければ、再度3ヶ月間ごとに売却を続ける更新をしていくのですが、仲介業者は、人件費、媒体経費など営業資源を投入しているわけですから、そもそも契約期間内で売却できるように諸条件を最初に詰め、動きはじめます。また、いくら希望価格で売りたいと言っても、新たに売り出される物件も出てきて情報も古くなっていきますし、売れないと言うことは需要と供給のバランスを欠いているので、長くダラダラと売り出していることは得策でありません。価格を下げてでも売却促進をした方が、売主、仲介業者双方のためでもあるので、そこは営業さんと相談しながら進めていきましょう。

他に注意すべき点
・築10年以内でおよそ綺麗に扱っている場合、リフォームは不要です。給湯器など、そもそもの住戸の標準装備である設備不良以外は、基本現状渡しになります。ドアが破損している、壁が汚れているからとリフォームをしても、費用がかかった分高く売れるとは限りません。
・内覧のために、部屋を綺麗に飾ってくれるサービス業者もいます。
・事前に仲介業者と確認はしているものの、引き渡しのタイミングなど、内覧者に対して、必要に応じて交渉条件を明確に話しておきましょう。

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営業活動で内覧者を募る

ここは業者に任せるポイントですが、事前に確認していた条件を、仲介業者HPやsuumo、折り込み広告上で上手にアピールしてくれているか、加えて物件概要、事実関係などを、きちんと確認しておきましょう。

細かいことですが、マンションの外観、室内の写真撮りは大切です。suumoなどの検索画面に出てきたときに、曇りの時の写真と、青空一面にマンションの外観が映える画像とどちらが「いいね~見に行ってみようかな」と思えるでしょうか。マンションマニアさんがおっしゃってましたが、自分のマンションはどこが素敵なポイント、角度か、自分が一番わかっていると思うので、特に晴れた日には、自分で写真を撮っておき、営業さんに画像を渡しておくと良いですね。そうすれば売り出しの準備もスムーズに進みます。

以上のように、仲介業者と諸条件を決め、マーケティングを駆使してもらって内覧までこぎつけます。土日に来られる方がほとんどですが、土日それぞれ1~2組、つまり土日2日間で2組以上の内覧を目標にします。それ以下の内覧者しか来ない土日が2週続いたら、値付け、アピールポイント、広告媒体のターゲティングエリアなど、仲介業者と再度よく話し合いましょう。

1週間に1度の報告(専属専任)も、よく目を通して相互フィードバックに役立てます。

マンションを売る時の注意点(内覧時の対応)

仲介業者の営業力により、内覧に来てもらった顧客に対しては、お部屋を気に入ってもらえるために、仲介業者任せにせずに自分達でも努力を要します。

まず、当然ながら売り出し期間中のすべての土日は内覧の応対を第一優先にし、スケジュールを開けておくことはマストです。機会損失を防ぐ努力は絶対です。

どんな人が内覧に来るのか


僕は過去3回、新築で購入したマンションを築10年以内で売却してきました。中古マンションの検索は、築10年以内が60%を占めるそうです。それは、マンションの相場が上がり続けている今、誰もが少しでも安く、新築に近い状態のマンションを購入したいからでしょう。築10年以内の中古マンションを見に来られる人は、きっと新築も見ています。

内覧者に何をどう見せるか


部屋を見に来る人は「きれいさ」「明るさ」「広さ」「収納」を見に来ます。

「きれいさ」
常日頃から部屋をきれいにしておく必要がありますが、内覧の日の朝は掃除を徹底します。特に目立つのは部屋のクロスと床の汚れや水垢、そして水回りです。クロスの汚れが目立つ箇所はできる限り落としておきましょう。また床の汚れや水垢も目立たないよう床掃除をしておきます。そして肝心なのは、洗面室、浴室、トイレ、キッチンの水回り。清潔感は大事です。トイレや浴槽の淵が黄ばんでたりしたら誰だって気持ちが萎えるはずです。できれば売り出す直前に水回り専門の清掃業者を入れておきましょう。へり、淵などまできれいにしておくことで、だいぶ印象が変わってきます。費用も1~2万円前後だと思います。

「明るさ」
通常はあまり点灯しないような、廊下の一画のダウンライトなど、内覧者の訪問前に全ての照明をつけておきます。またレースのカーテンも全て開けて、少しでも多くの採光を取り込み明るい部屋を演出しましょう。

「広さ・収納」
何気に大事なのは収納です。少しでも余裕のある生活を想像してもらえるように、売却活動の前に余計なものを極力捨てて、室内を綺麗にスッキリ見せる努力をしましょう。内覧者は収納の中まで見るのを遠慮するかもしれませんが、収納の容量は誰もが気になる所です。積極的に見せてあげましょう。事前に余計な物は捨てるかどこかに保管し、収納の中の物量を通常の70%程にした上で整理整頓しておき、内覧者に「実際に生活したら収納はだいぶ余裕を持てそうだな」と思ってもらうことが大切です。

内覧者が求めている事を提供する!


内覧者は、周辺環境やエリアの情報などに詳しく自分達で調べてきている場合もあれば、業者からの紹介で内覧に誘われているだけで、ほとんど物件周辺情報を知らないケースもあります。聞きたいことを山ほど持参している場合もあれば、住まいに関して何が疑問なのかすら理解できていない人もいます。

内覧者に聞かれた際、実際に住んでみないと業者でも知らないようなことをきちんと整理して答えてあげましょう(先程の表を参照)。特に子育て世代は、新しい住まいでの子育て環境に不安を抱いています。保育園や幼稚園の教育方針や口コミ情報については、生活してきた中でママ友から仕入れた保育園や幼稚園の情報を惜しみなく提供してあげると、一気に子育て生活への実感や期待が高まります。

他、こちらからコミュニケーションを取り、内覧者の疑問点を洗い出してあげることも積極的にしてみてください。

新築との差別化をアピールする!


新築との差別化として、当然ながら価格訴求に加え、新築には無い中古ならではのメリットを訴求しましょう。近年、人件費、資材費、土地の取得費など全ての分野においてマンションを造るコストが高騰しており、昔と比べてコストカット著しいマンションが目立ちます。

以下は、新築に中々見られなくなったマンションにまつわることの一例です。

ランニングコストの低さ
管理費、修繕積立金など月々のランニングコストの低さ
設備、仕様の充実度
スロップシンク、室内ダウンライト、廊下や洗面室、トイレ床がタイル張りなど
間取りの良さ
専有面積の広さ、ワイドスパン(住戸幅が6.5m以上)、窓の多さなど
構造
隣住戸との境がコンクリート、リビングの窓がハイサッシ(2100以上)など
新築では不安なこと
隣や階下の住人の人柄、管理組合が機能しているか


など、仲介業者の営業さんと事前に良く確認してください。

逆に、中古マンションならではのデメリットを埋める回答を用意しておくことも大切です。例えば、『今流行の共用施設が無い』という不安に対しては、『近所にホテルやショッピングセンターがあるので、住み始めたら必要なかったし、余計に管理する物が無い分管理状態も良好です。また管理費もその分安くて助かっています』など。こちらも、営業さんと事前に確認しておきましょう。

中古マンションは、新築マンションに比べて勝っている事がきっとあるはずです。

サービス精神で対応する!


内覧者は買手であり客人です。お客様に商品を売るおもてなし精神で良い印象付けをするよう努めましょう。

内覧者の訪問時にはスリッパを用意して出迎えてください。仲介業者は意外とスリッパを忘れてきます。コミュニケーションも仲介業者任せにせずに、疑問に思っている事を遠慮させないように引き出してあげましょう。また、季節によってエアコンを惜しまずにつけ快適な温度を保ちましょう。フレグランスやちょっとした音楽をつけて快適な空間を演出することも忘れずに。できたら新築マンションのモデルルームと同じように、ダイニングテーブルを商談スペースにして、お茶やコーヒーの1つも用意し、内覧の後、じっくり疑問点にこたえ、お部屋のアピールポイントを説明しましょう。

そして、仲介業者の営業さんはパートナーです。焦らせたりすることなく親切に接したり、暑い日には冷たいドリンクを差し入れするなど、感謝の気持ちや心遣いを忘れないようにしましょう。

申込、契約、諸手続き

価格交渉が肝になってくると思います。他、専門的な諸手続きなど、仲介業者とよく相談して進めていきましょう。

マンション売却にかかる費用

気になるマンション売却にかかる費用は以下です。僕が昨年4,780万円でマンションを売却したときにかかった費用の例から入ります。

一番大きいのは仲介手数料です。一般的なマンションを売却する際には<売却価格の3%+6万円+消費税>とされていますが、あくまでもこれは上限です。僕は10%ほど値引きして貰いました。売却の申し込みが入った時点で買主さんから貰った手付金より50%相当を支払い、最後、買主さんから手付金を除いた代金が入金された際に、残りの50%を支払います。

抵当権抹消費用が数万円ほど。

注意点は、清算金が入ってくることです。これは、後から買主さん分の支払いを代行するケースが生じる場合、事前に買主さんから貰っておく物です。なので、後で支払うためにプールしておかなければなりません。マンションのランニングコストである月々の管理費と修繕金は売却後の数ヶ月後まで支払う契約が残っているケースが多いので、買主さんが入居された後の分を事前に貰っておく必要があります。また、固都税(固定資産税と都市計画税)については、1月1日時点での持ち主が、その後1年間の税金を支払う仕組みなので、買主さんとのお金のやりとりが生じます。僕の場合は、今年の2月末時点で売却し、買主さんに所有権が移ったので、6月に固都税を支払ったのは僕なのですが(今回12万円)、3月~12月までの所有権は買主さんなので、日割りで割った10万円を事前にいただいた格好になります。

一方で、戻ってくるお金もあります。数年先まで契約をしていた火災保険、地震保険が、住戸の売却によって解約になるので、残りの年数契約分が返ってきます。また住宅ローンでマンションを購入していて、住宅ローンを完済する形となった場合、借入時に金融機関に「保証料」を支払っていれば、こちらも実際に借り入れ予定だった残りの年月分相当の保証料が帰ってきます。

最後になりますが、マンション購入時の金額よりも、売却した価格の方が高かった時、つまり利益が出たときは、譲渡所得課税として、翌年の確定申告で税金を支払わなければ行けません。今回の売却については、本体価格の売却益が約600万円程出ました。必要経費として除かれた課税対象の500万円の20%と計算して、支払うべき税金をおよそ100万円と予想しています。売却時期など条件によって課税金額は変わります。計算方法は、次回書く予定の「マンション売買にかかる諸経費」で詳しく触れたいと思います。ですので、100万円ほど使わないようにプールしています。

以上、僕が4,780万円のマンションを売却した際は、210万円ほどの諸経費がかかるということになりますが、譲渡所得課税がかからず、戻り金も無ければ150万円ということで、一般的には売却価格の3%~3.5%くらい見ておけば良いと思います。

最後に

希望価格でスムーズに売却する要因は、何といっても人気のエリア、駅チカ物件に綺麗な状態、適正な価格次第であることは間違いないです。それでも僕は、少しでも希望通りに売却できる確率を上げるために、まずは信頼できる業者を選ぶ事、その上で業者任せにせずに自分達でも「売る」努力をすることが大事であると、過去の売却活動を経て実感しています
(売却仲介業者、以下ご参考)

ノムコム(野村不動産アーバンネット)
公式サイト
https://www.nomu.com/seller/

三井のリハウス
公式サイト
https://www.rehouse.co.jp/sell/


住友不動産販売
公式サイト
https://www.stepon.co.jp/uri/

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