リリースされてから、『安くてもこの駅から遠い立地に買うかな・・・』とずっと思っていましたが、最近になって少し印象が変わってきました。新築マンションを購入するのが難しい時代です。駅遠くて安くても価値があるマンションを選びたいですね。

サンリヤン北綾瀬 物件概要

サンリヤン北綾瀬
東京都足立区東和5
東京メトロ千代田線「北綾瀬」駅徒歩12分
JR常磐線「亀有」駅徒歩16分
用途地域:準工業地域・近隣商業地域・第一種住居地域
総戸数:15階建て84戸
専有面積:68.08㎡ 〜 86.40㎡
間取り:2LDK+S ~ 4LDK
管理費:14,300円~
修繕積立金:6,810円~
駐車場台数:13台
自転車置き場:168台
バイク置き場:4台
売主:西日本鉄道
販売提携:長谷工アーベスト
施工:長谷工コーポレーション
管理会社:長谷工コミュニティ
竣工予定:2020年10月竣工済み

(2021年1月現在)

駅から遠いマンションながら、開けた環境の中での日当たり、眺望が申し分ない全戸南西向き。しっかり造り込まれ、洗練されたファサードデザイン。それと周辺の新築が高くなる中、私たち庶民でも手に入りやすい4,000万円前後からの価格帯が魅力のマンションです。

良くも悪くも、いや、悪くも良くも「長谷工のマンション」になります。「オーベルグランディオ平井」と同じような設備、仕様となっており、ディスポーザーもルーバー格子も、トイレ手洗いカウンターもありません。隣住戸とのパーテーションも低いサイズ。長谷工ならではの直床なのですが、天井高は2500mmどまり。オーベルグランディオのように、2550~2600くらいまでは頑張って欲しかった印象です。

環状7号線沿いということもありサッシは「T-2等級」(一部T-1、T-3)を採用し、防音性を高めています。バルコニーの奥行きは2mを確保。ここはさすが長谷工。1.8mと2.0mでは使い勝手も広々感も結構違うものです。このマンションは眺望も日当たりも良く開放感があるので尚更かと。

見るべき設備はほとんどありませんが、この価格帯で分譲マンションを初めて購入する層にとって気にする必要はありません。むしろ「長谷工のマンションだから」と思考停止の上で選べば安心です。ただし、一般的な分譲マンションにしては珍しくカップボード(食器棚)が標準装備となっているのは嬉しいですね。

少し前に完売した「サンリヤン小岩レジデンス」は、売主に東京建物が加わり、山田建設施工で設備が良く、二重床の仕様に、住戸境のパーテーションをコンクリートにするなど独自色が強いマンションとなっていました。近いエリアの同じブランドでこうも違うのですから、マンション業界って面白いなと思います。

主立った共用部分では、広めのエントランスホールにキッズルームがあります。中小規模のマンションでありながら、少しでもサードプレイスがある事は良いです!雨の日や、ママ友との交流など子育てに本当に役立つ共用空間になります。集会所としても機能するでしょう。

ランドスケープデザイン(出典:サンリヤン北綾瀬 公式HP)

エントランスデザイン、建物デザインが格好良く、共用廊下側の玄関周りがしっかりタイルで施されるなど、しっかり造り込まれ、上質な印象を受けました。さすが「長谷工」のマンションです。

サンリヤン北綾瀬 公式HP

マンション立地・住環境

大谷田陸橋付近の南西側を開放した立地。5階あたりから上は眺望が抜けますが、低層階でも日当たりは良好です(住環境はモデルルームで要確認)。

交差点付近なので喧噪はありますが、決してひどい騒音がある立地ではありません。寂しくなく良い意味で賑やかな場所(個人の感想です)。

駅遠のポジションは、複数路線、複数駅を利用できるメリットもあります。決して近くありませんが、亀有駅16分は徒歩圏内です。どちらかの路線が止まったりしても自宅までたどり着けないことがなく、便利に使いこなせます。

サンリヤン北綾瀬 間取り 価格

平均坪単価は、205万円前後(70㎡換算4,341万円)でしょう。

平面図。全戸南西向きのプランです。

平面図(2階~12階)

主な間取りと価格です。

Aタイプ、72.59㎡
3階、4,348万円(@198万円)

Cタイプ、71.40㎡
9階、4,298万円(@199万円)

Dタイプ、68.14㎡
4階、3,968万円(@192万円)
8階、4,148万円(@201万円)
11階、4,298万円(@208万円)

Eタイプ、68.08㎡
13階、4,398万円(@214万円)

Fタイプ、76.56㎡
2階、4,728万円(@204万円)
9階、4,998万円(@216万円)

近隣の戸建てなどと比べても、スカイツリーも臨める高層階のパノラマ眺望と日当たりがあって、70㎡以上で収納もまずまずの部屋が4,000万円前半であれば、以下の住戸を積極的に選びたいと思いました。

Cタイプ、71.40㎡、3LDK
9階、4,298万円(@199万円)

Cタイプ(出典:サンリヤン北綾瀬 公式HP)

D,Eプランは、68㎡台と一回り小さくなるだけで収納が一回り違ってきますし、住戸スパンも5,850mmと若干の窮屈感が気になりました。このCタイプは6,000mmスパン。

洋室(1)のファミリークローゼット、洋室(3)の布団クローゼットは使い勝手が良さそうですし、これだけあれば、子供が1~2人できても最低限困らないでしょう。

ちょっとした差なのですが、キッチン3.4畳と、洗面室の空間ともに広々としています。

LD11.6畳、キッチン横のデッドスペースを除くと生活に使用できる空間は10畳ほどですが、LDの奥行き(キッチン天板からバルコニー窓まで)が4,700mmほどあるため、贅沢しなければLD家具セットを一通り置けます(関連記事)。

これが、Eタイプ68㎡のLD11.1畳、奥行きが4,400mmとなると家具の配置が少し手狭になってしまいます。

住戸前には、2つの共用階段が存在しますが、9階なのでそれほど人の往来も無く気にならないはず。むしろエレベータ前の住戸の方が気になります。

大きく気になるポイントは2点。1つは、洋室(1)にガッツリ浸食した柱とアルコープ無しの玄関周り。柱を含む畳数6.5畳なので、実質6畳以下に(関連記事)。

それと、LDと隣の洋室(3)を仕切るスライドドア。家族が少ない時は開けて大空間にしたいのですが、スライドドアを支える「方立」の出っ張りが大きく、家具の配置がしづらくなるのと開放感の妨げになります。

マンションを選ぶ際は、ハザードマップ上や、将来的な住環境変化のリスクも理解し納得した上で、自分に合ったマンションを選びましょう(関連記事)。

まとめ・最後に

綾瀬、亀有、金町エリアは新築マンションの分譲が活発です。北綾瀬では、駅徒歩9分の「「ルフォン北綾瀬シエルフォート」も完売したばかりです。

相場観は以下のような感じ。

綾瀬駅徒歩9分の「メイツ東綾瀬」、同じく綾瀬徒歩11分の「ライオンズ綾瀬グランフォート」は5,500万円~、亀有駅徒歩4分の「クラッシィハウス亀有」は6,000万円弱、金町駅徒歩10分の「シティテラス金町」ですら5,500万円~。

その中で、駅遠のハンデはあるものの、1,500~2,000万円も安い4,000万円前半で70㎡が手に入ります。予算が限られる若年層であれば、十分選ぶ価値はあるでしょう。500万円やそこらの差ではありません。

ただし1つだけ認識しておいた方が良いのは、北綾瀬駅周辺には徒歩7分以内の駅近に、過去10年たくさんのマンションが供給されていることです。築浅の物件数が豊富で、マンション相場が高騰している社会現象をよそに相場もまだまだ低いので、買うときも売るときも、注意しなければなりません。

新築よりも駅近、利便性重視!と言う方なら、良く事前に市場を見ておいた方が良いです。

足立区だと駐車場付きの戸建てを購入する若い世代もまだまだ多いと思うのですが、このマンションは総戸数84戸に対し駐車場台数13戸の少なさが気になりました。それでも、車を保有していない方なら特に、見晴らし良く日当たり抜群、共用施設もあってセキュリティがしっかりしているマンションも良いですよ!

昨年で言えば、「ザ・パークハウス五反野」で体験した棟内モデルルーム。入った瞬間「あっ・・・!」と声も出たパノラマ眺望が忘れられません。幸いに、こちらのマンションも竣工後販売をしており、バルコニーから圧巻の眺望を体感できます。公式サイト上では、『先着3名50万円成約プレゼント』が提示されていたので、本気で購入の相談をすれば、なにか嬉しいことがあるかもしれませんね。

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