2020年4月。新型コロナウィルス感染による影響で、自宅待機を余儀なくされる中、多くのマンションモデルルームも閉鎖されています。住まいの検討も、今は一息ですね。こんな時でも、マンション好きな人のために、マンション(家)を舞台にしたオススメの小説4冊を紹介します。

マンション・不動産関連 オススメの小説・漫画5選!

地面師たち(新庄耕)

大手ハウスメーカー「積水ハウス」が、詐欺師グループに五反田駅近くの土地購入代金50億円以上を騙し取られたニュースは記憶に新しいと思います。

このセンセーショナルな事件はどうやって起きたのか、一般庶民が知らない業界の裏側や不動産売買の仕組みを興味深く交えながら、騙した地面師たち、騙された不動産デベロッパー側、巻き込まれた人たちの人間模様を、「あの事件」リアルさながらフィクションとして描いています。巨額のお金を動かす手口の巧妙さ、それを操る人間一人一人の狡猾さや闇の部分に細部まで入り込んだ一刻一秒を争うスリリングな展開は、読み始めると止まりません!とにかく面白かった!

「マンション」の側面から見ると、準大手デベロッパーの開発案件が舞台設定になっていて、用地取得を巡る予算達成に向けた組織の動き、事業の利益構造など、一見華やかに見える開発事業の困難さを垣間見ることができます。

理由(宮部みゆき)

宮部みゆきの代表作。1998年の直木賞受賞作品です。当時、まだ黎明期だった新しい住まいの形、タワーマンションの特徴を踏まえ、新たなコミュニティで発生する社会的問題点を、いち早く自身のサスペンス小説として書き下ろしました。

タワーマンションの一室で起きた残忍な一家4人殺人事件。なぜ、殺人事件は起きたのか。高級タワーマンションが、遠く離れた縁もゆかりも無さそうな人々、家族をひきつけてしまった「理由」とは。それぞれの境遇、生活、性格、細かなワンピースワンピースが高級マンションで起きてしまった殺人事件の「理由」として積み上げられ、結実していく描写は、やっぱりすごいです!読みごたえがあります。

私たちが生きている社会。社会が変わって起きる何か新しい社会現象、事件には、全て理由がある。私たち人間、家族の中にある何か大事な側面が、事件に大きく関与してしまうかもしれません。小さくても遠因の1つになってしまうかもしれません。そう思うと、恐怖すら覚えました。

巻末の解説で、重松清が『めちゃめちゃ面白かったですよね-、なんてバカみたいな幼い感想こそが本音中の本音』と評していますが、まさに近代サスペンスの最高傑作だと思います。特にタワーマンションの黎明期の様子、問題点も読み取れるので、タワーマンションが好きな人、住んでいる人にはぜひ読んで欲しいです!

スプラッシュマンション(畠山健二)

マンション管理組合の役員理事は誰もがやりたくない仕事だと思います。それまで無風だった、都内の、とあるマンション管理組合の会合において、『管理組合の理事長と管理委託会社が癒着しているのでは?』という1つの疑問がとんでもない事件を巻き起こします。

この突飛よしもないストーリー展開は活劇としても最高でした!マンションの管理組合の運営面についても少しだけ理解でき、読みながら、『管理組合の理事の仕事かあ、やっぱりやりたくない』、『いや1度はやってみたい』という思いが交錯しました。マンションを購入した人は、自分のマンションの維持運営をしっかり考える上で、この小説から面白くヒントを学べると思います。

狭小邸宅(新庄耕)

最後に、マンションとは直接関係ない本を1冊。一戸建てを仲介する営業マンの奮闘記です。何をやっても売れない一流大学卒業の営業マンが、「この家は売れない」と誰もが見向きもしない1戸を販売するために奔走します。

まさにこの本に描かれているような怖い思いを個人的にも経験したことがありました。戸建て物件の内覧後、無理やり会社の販売事務所まで連れて行かれそうになり、信号が赤になったところで何とか車を下ろしてもらいましたが、家に帰った後も、その人の上司と名乗る数人から、代わる代わる何度も何度も電話がありました。

身を削りながら家を売る営業現場の大変さを描写しているこの社会派小説は、読んでいるだけで胃が痛くなってしまうのですが、臨場感溢れる怖い物見たさで3回も読んでしまいました!読む度に、人の不幸は蜜の味というか、生きていくことの大変さへの深い共感というか、働くことへの飽くなき敬意というか、大変な社会の中で一筋の希望というか、様々な想いが去来し、じわじわと色々考えさせてくれます。面白いです!

小説は以上4冊、最後に最高の漫画を!

正直不動産(大谷アキラ)

まずは1巻だけでも読んで欲しいです。最高です!不動産仲介会社に勤めていた営業マンのエースが、ある日、自分の罰当たりな所業によって、本音しかしゃべれなくなり、社内、顧客対応で物議を醸しながら・・・、、、(爆笑・涙あり)という最高の活劇ストーリーです。サラリーマンとして稼ぐために日々自分を押し殺して働いている私にとって、本当に気分爽快もの!不動産の豆知識も習得でき、一石二鳥。1度読み出すと止まらなくなります!

以上です。不要不急の外出を控えるときではありますが、自宅で読書の時間に充てるのもよいのではないでしょうか。住まいに対する違った側面を感じることができるかもしれません。
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