有力エリアの立地や規模で大手に敵わない、中小デベロッパーや小規模マンションに欲しいのは、居住者目線の間取りなど住空間設計の良さです。東武スカイツリーライン沿線を賑やかしている「北千住」から2駅の「五反野」で、入居後も「選んで良かった」と思えそうなマンションを見つけました。

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物件概要

アスコットパーク五反野ベッセル
東京都足立区足立4
東武スカイツリーライン
「五反野」駅徒歩7分
「梅島」駅徒歩11分
7階46戸
駐車場:2台
自転車置場:89台
用途地域:準工業地域、他
分譲:アスコット
施工:ピーエス三菱
管理委託会社:大京アステージ
施工予定:2020年8月
(2019年8月1日現在)

このマンションの良さは、住環境に恵まれた立地と、居住者視点に立った住戸空間設計にあります。「立地良し、居住空間良し」の小規模マンションです。

南向きをワイドに構えたマンション用地

都内23区の駅徒歩7分という駅近である立地が、まず評価できるポイントです。有力な駅ではありませんが、2駅隣のビッグターミナル「北千住」での乗り換えで、都心部要所まで便利にアクセスできる環境にあります。生活面では、休日ちょっとしたお買い物は、北千住の「丸井」「ルミネ」や大型商業施設や西新井の「アリオ」など近隣の大型複合商業施設が利用できますし、日常使いについては、駅前に、商店街、スーパー、コンビニなど最低限の商業施設が揃っています。

マンションが建つポイントは、東西ワイドに広い敷地で、前面は2車線道路で抜けている開放的な環境なので、日当たりの良い南向き住戸を横広に配置することができる、住環境に恵まれた形状の立地になっています。

更に西南北の3方が接道されています。建物の独立性が高い事と南向き棟の前面が抜けている事から、このマンションの凝った意匠を全体的に見渡すことができるので、建物の存在感を引き立てマンションが目立つロケーションだと思います。

南側に隣接する道路は、日光街道(国道4号線)から車が流入してくるため、そこそこの交通量があり歩道も狭いのですが、エントランスをマンション北側に設置することで、駅からマンションまでの動線は安全に設計されています。

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住みやすい空間を目指した間取り設計

居住性の良さ、親切な空間設計は、中小デベ、小規模マンションにおいて、しっかり見極めたいポイントになります。このマンションは、立地の良さだけでなく、居住空間までこだわりを持ってしっかり考えられています。

用地を活かした間取りの良さ

間取りの良さは、やはり小規模マンションの醍醐味です。敷地が東西に広く南向きワイドなため、それを活かした配棟デザインとなっています。

主な間取りは、少し小さめの3LDK、2LDK中心になります。中住戸のC、Fタイプを挟んで、2面バルコニーにワイドスパンのD、Eタイプ、南東角住戸のGタイプ、南西角住戸のBタイプ、北西角ワイドスパンのAタイプ、北東角ワイドスパンのHタイプと、どれも、採光、日当たり良く明るい住戸で、大規模マンションの一般的な田の字型には無い、部屋の楽しさ、使い勝手の良さが随所に顕れた間取り設計がされています。

東京イーストエリアで分譲されている中小デベや小規模のマンションで、これだけの面白い間取りデザインのマンションは他に中々ありません。マンションを選ぶときに大規模マンションなら一般的な間取りばかりでも仕方ないと思うんです。でも、中小デベや小規模マンションの間取りや住空間が、大規模マンションと同じく平凡なら、立地や企画が良くて共用施設が充実している大規模や大手ブランドを選びたいですよね。このアスコットパークというマンションを積極的に選びたい理由の1つが、間取りの良さにあります。

中でも1番オススメなのが、D、Eタイプ。

画像はEタイプです。ワイドスパンにすることで空間を贅沢につかい、壁に接地せず独立した「アイランドキッチン」を実現させています。更にリビング側だけでなく寝室側にもバルコニーを設定してくれていることが嬉しい造りです。通常は、室外機だけ置く、人が出られないスペースにされてもおかしくない場所ですが、戸建てと同じように、寝室からバルコニーに出られることで、生活も開放的になり、サードプレイス的な場所としても活躍してくれるでしょう。住戸全体は66㎡と若干手狭ではありますが、住戸幅を一般的に6m前後のところを7mほどのワイドスパンにすることで、LDKがほぼ正方形の広がりがある空間に仕上がっています。トイレも広く、浴槽もしっかり1418サイズ、この規模だと狭くなりがちな玄関も十分なスペースを確保しています。間取りについてはプランを選べるようなので、僕なら洋室3を抜いて、大型ワイドリビングの2LDKプランにしますね。

Gタイプ

3面開口部の角住戸

Hタイプ

北向きですが、約10メートルのワイドスパンの角住戸。それぞれ、デベロッパーの空間設計におけるこだわりが見られます。

防犯性・プライバシー性を重視した戸建てライクな造り

このマンションは、防犯性、プライバシー性を重視した造りになっています。2階より上層階は、共用部において内廊下設計がされ、各住戸の部屋が共用部に面していないので、住人の気配や視線を感じずに済みます。加えて驚きなのが、この規模でエレベーターが2基設置されること。各フロア4戸に1基の割り当てになっていることから、他の住人に気を遣って上り下りすることも無さそうです。

一般的なマンションでは、大体が以下のように田の字型の間取りを採用しています。

共用部(廊下)に面した2つの部屋のプライバシー性、防犯性が低く、何より開口部が狭いので住戸内に圧迫感が少なからずあり、明るさも制限されます。

一方、アスコットパーク五反野の各住戸は、内廊下設計でプライバシー性や防犯性が高く、ワイドスパン、角住戸の住戸も多いため、多くの部屋で空間の広がりや明るさを実感できるでしょう。大規模や一般的なマンションには無い住空間の良さが、このマンションの魅力です!

居住者視点の設備、仕様オプション選択

標準の設備は、ディスポーザーは無いことは仕方ないにしても、食洗機も無く、床暖房が標準くらいで、特筆したモノはありません。仕様は、二重床、二重天井ですが、天井高はわかりません。ただし標準にプラスして、設備、仕様など100種類以上の無償セレクトが住戸によって最大70万円ほど無償で選べるセミオーダー方式をとっています。これは居住者それぞれ必要、必要でない設備があると思うので、カスタムできて親切だと思いました。その中で、どちらにしてもディスポーザーはありませんが、食洗機は選べます。他にも、あると嬉しいトイレ手洗いカウンター、ミストサウナ、ピクチャーレール、アクセントウォールなども選べるようです。また面白いなと思った設備仕様としては、バスサウンド、マグネットチョークボード、壁面タイルなどです。100種類の中から選ぶのが楽しそうですね!ただ、選べる時期的なこと、追加費用など、モデルルームで早めに確認しておきたいポイントになります。

住空間の良さについては以上となりますが、少し前に公表されていた価格の一部を共有します。
A、1階、56.68㎡、3,720万円(@217万円)
B、1階、67.83㎡、4,140万円(@201万円)
E、4階、66.98㎡、4,510万円(@222万円)
F、3階、54.15㎡、3,810万円(@232万円)
G、3階、68.4㎡、4,560万円(@220万円)

最後になりますが、共用施設は、宅配ボックスと屋上テラスのみとなります。

五反野周辺のマンション相場

このエリアにおいて、優良マンションは少ないです。特に、築浅10年以内、五反野駅徒歩10分以内で、ファミリータイプ60㎡以上の売出住戸は0でした。近年は、マンション需要も高まっていると思いますが、北千住より北、この沿線では、まだ戸建て需要の方が高いのではないでしょうか。物件数自体が少ないので、そのような意味でも、新築と中古の価格差は比較的少ないものとなっています。

アーデルグラード梅島(新築)
梅島駅徒歩7分
南向き
6階、67.71㎡、4,798万円(@234万円)
1階、67.71㎡、4,098万円(@200万円)

ライオンズ オーチャードガーデン
梅島駅徒歩5分
築2011年
東向き
3階、61.32㎡、3,680万円(@198万円)
8階、70.14㎡、4,580万円(@215万円)

リライズガーデン西新井スカイレジデンス
梅島駅徒歩2分
築2009年
13階、76.2㎡、4,610万円(@200万円)
4階、72.57㎡、3,980万円(@181万円)
※1坪=3.305㎡で換算

前日紹介した新築分譲中の「アーデルグラード梅島」は、平均坪単価230万円ほどでした。

周辺の大手の築浅マンションを見ると、およそ坪単価200万円前後で売り出されていることがわかります。リライズガーデン西新井は10年前の分譲当時を知っていますが、マンション価格が高騰してきた直近の相場のあおりをうけて、10年経っても分譲当時の価格をおよそ維持しています。ちなみに2駅隣の北千住では、「ブランズ北千住」が坪単価310万円ほど、「千住ザ・タワー」が坪単価350万円ほどで売り出されていますが、販売は好調のようです。

北千住は、今までが都内有力エリアと比較して評価が低すぎたのではないでしょうか。以上を踏まえても、都内23区、都心まで30分以内で出られるような駅近の物件が、坪単価220万円ほどで購入できると言うことは現時点では恵まれていると評価することもできます。これから周辺エリア一帯の価値が見直され、相場が徐々に上げていくことはあっても、今後一気に下降していくことは考えずらいです。

10年後、同様の条件で新築が建ったときに、このエリアの駅チカの相場を坪単価240万円ほどと想定し、アスコットパークの10年後の価値を以下のように予想してみました。

Eタイプ、4階、66.98㎡
4,510万円(@222万円)
↓  ↓
4,052万円(@200万円)

わからないですけどね。都心で駅近の立地は、ますます希少になっていく一方で、人口も減り続けていますから、ひょっとしたら北千住の相場はぐんぐん上がり、その周りは人がいなくなるような二極化が進むかも知れませんし。ただ、駅近の物件を購入しておけば、何かあったときにリスクをある程度回避できるのは確かですし、何より住まいの満足度も高い事と思います。

このマンションの注意点

このマンションで、まずびっくりしたのが、駐車場台数が2台!であること。僕の感覚では、この足立区や沿線では、まだまだ車需要が高いエリアと言う認識があり、いくら何でも少なすぎるのでは無いかと思いました。戸建てでしたら通常、駐車場付きですからね。なので、このマンションを選ぶ際は、駐車場の確保を別途考えておかなければなりません。ま、車を所有しない僕個人的にはむしろメリットです。将来的にマンションの運営の足かせになりませんし、この小規模マンションにしてある程度良心的な管理費に貢献してくれていると思いますから。

住戸については、3LDKでも60㎡台なので、収納などが手狭です。DINKSや子供が一人くらいの世帯に向いているかなと思います。また、すこし細かいところにはなりますが、B、Gタイプの住戸について。バルコニー側の室内へ柱の浸食が見られます。通常廊下側における洋室への柱の浸食は、ある程度許容できるものですが、バルコニー側、LDとLD横の部屋の柱への浸食は、ソファ、ローテーブル、TVボードなど大型家具を置く際に、効率的に配置できなかったり気を遣う場合がありますので、家具を購入する場合は寸法など注意が必要です。思っているような大きさやデザインの家具が置けないかも知れません。

設備については、標準装備が少なそうなので、先ほど触れた無償オプションを、モデルルームでしっかり確認したいですね。

周辺環境ですが、前面の道路含め、区画が整備されているとは言いがたく、五反野駅周辺は駅前は整備されているものの、マンションまでの道のりは街の古さが目立ちます。

マンション南側、日光街道から流れてくる道路が1番のネック。騒音の影響は少なからずあるでしょう。

特に、夕方の交通量が多い時間帯は、日光街道に出る車の隊列で、住戸前の喧噪や車からの視線が気になる場面が低層階ではあるような感じがします。またエントランスは北側に設けられているので安心ですが、歩道が狭いため、子供を連れての移動は、より注意を払う必要がありますね。

もう一つ気になるのが、マンション北側に存在する東武スカイツリーラインの高架です。かなりの騒音を覚悟していましたが、個人的な感想としては、北側のマンションが壁になってくれていて、更に高架に防音壁があるので、音はそんなに気になりませんでした。

ただ、音については個人差があります。音にうるさい方は、良く現地で確かめて欲しいと思います。とくに北向きAタイプ、Hタイプの住環境には影響するかもしれません。

最後に

北千住から北に下っていくと、極端に有力な分譲マンションが少なくなる沿線です。この界隈でマンションを探している人は、駅徒歩4分に最大手、三菱地所がパークハウスブランドのマンションを建設しているので、梅島や西新井などの新築、中古物件も含め、幅広く見てから決めることをオススメします。

アスコットパーク五反野ベッセルは、戸建てではなく初めてマンションを検討する人でも、大手ブランドのマンションに負けないくらい十分に良いマンションだと思います!

(以下、2019年10月5日追記)
E、2階、66.98㎡、4,390万円(@216万円)
L、7階、86.13㎡、6,890万円(@264万円)